2003年10月10日金曜日

Napsterの復活

旧Napsterはとてつもなく魅力的なソフトウエアだった。それが発表されたのは1999年1月であったが、僕が実際使ったのは、2001年3月からの1ヶ月間だった。説明は必要ないと思うが、旧NapsterはMP3ファイル交換システムで、世界中のNapsterユーザーのフォルダから目的のMP3を検索し、そこからサーバーを介して自分のPCにダウンロードが出来る。つまり聴きたい曲が常時世界中150万人(最大では6000万人が参加していたという)の28億以上ものファイルの中から探し出して、聞ける。そして自分の好きな曲を持っているユーザーにメッセージを送って、コミュニケーションをとることもできる、メッセンジャーの機能ももっていたのだ。 検索機能は非常に精度がよく、曲名かアーティスト名、あるいはその断片を入力すると(綴りが間違っていても)そのMP3ファイルを検索できた(当然、日本の曲も検索できた)。
僕はこれを使い始めたときの興奮を覚えている。例えば何年も(何十年も)聴きたくて、探して探してそれでも見つからなかった曲が、即座に探せて数分のうちに自分のものになる・・・。どんなマイナーな曲でも、世界では誰かが持ってるし、大好きなアーチストの聴いたことない曲もあるわあるわ・・・。遠い昔、FMラジオでかかった好きな曲をエアチェックするときの興奮に似ている。レコードを買うお金もなく、しかも地方の店にはレコード自体もなかなか多くは置いておらず、手に入らなかった。ラジオだけが頼りの曲も多かったのだ。その頃に聴きそびれた曲が、今、自分のものになる。その時の興奮といったら・・・。まったく、もう。こんちきしょう。
Napsterが複数の大手レコード会社との著作権侵害訴訟に破れ、2002年6月に破綻。同11月にRoxio社に買収された(簡単に書いたが、それまでの経過は長い。他の身売り先に、Napsterにはもはや使い道はないと言って捨てられたり・・・など)。そしてこの度有料の音楽配信サイトとして再出発となる。これは9月29日に米国内でサービスが開始され、大手のレコード会社5社と少数のインディーズ・レーベルが所有する約50万曲の音楽から1曲99セントでダウンロードできる。または毎月9.95ドル払えば、無制限のダウンロードができるという。しかし以前のNapsterの面影は、ほとんどない。
さてそれは魅力的か?50万曲という数はどうなのか?他の音楽配信サイトよりは確かに多いだろう。しかし大手のレコード会社5社が配信を許可した曲ならばそのまま正規にCDで手に入るだろうし、わざわざお金払って音質の劣る(しかも使用に制限のある)ファイルをダウンロードするだろうか?CDにすら復刻されない往年の名盤や、シングルレコードのB面にしか収録されなかった曲などは配信してくれるのだろうか?そもそも、現在米国内のみでのサービスであり、ウインドウズのみしか対応しておらず、WMAフォーマットの為iPodでも使用できない。僕は現在のところあまり興味を引かれないというのが本当のところである。
→ Napster(アニメーションは面白いので見てね)

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