2003年10月15日水曜日

アントニ・ガウディとモデルニスモ - HOME2003年11月号より

アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi、1852〜1926)の建築物とミロやピカソの美術館を目的にバルセロナに向かったのはもう15年近く前の事である。スペインは他にもダリなど特異なアーチストを多く輩出しており、例えば北欧のムンクなどと比べても明らかにそのベクトルは違うように思われる。さて、ガウディはカタルーニャ・モデルニスモの著名な建築家であることは言うまでもないが、バルセロナには今でも30点程の「作品」が点在する。もっとも有名な作品は何といってもサグラダ・ファミリア(聖家族、Sagrada Familia)であろう。早朝バルセロナに着いた僕は近くの汚いカフェでコーヒーを飲んだり、正面の公園で行き交う人を眺めたりしながらサグラダ・ファミリアが開くのを待ち、開場とともに狭いらせん階段をてっぺんまで駆け登った。らせんの中心部分に手すりはなく、下手すれば下まで落ちそうだった。サグラダ・ファミリアは1882年に着工され、1883年からガウディが2代目建築家として就任している。この時彼は31歳。完成までに100年かかるとも200年かかるとも言われ、それが出来上がった時には最初に建築された部分の修復が必要になり、結局永遠に完成される事がないとも言われる。また、サグラダ・ファミリアは設計図がないらしい。彼の死後も彼の意志を引き継ぐ建築家が作業を続けているという。僕が訪れた時も、なんだかのどかに作業が続けられていた。ともあれ、その姿は様々な曲線が多用された見れば見るほど複雑な作りで、音や光までも美しく配慮された唯一無二の造形美を誇っていた。余談だがガウディ自身は1926年(74歳)に路面電車にひかれ死去するが、ローマ法王庁の許可でサグラダ・ファミリアに埋葬されているらしい。
また他にも現在も住居として使用されているカサ・ミラ(Casa Mila)が素晴らしかった。石切り場とも言われるこの建築物は、波打つような曲線が美しい。住居なので中には入れなかったが、外から堪能したのを昨日のように覚えている。
さて僕は建築に特に興味があるというわけではないが、HOMEの今月号がガウディの特集だったのでついそんなことを思い出しながら見入ってしまった。2002年が生誕150年だったようで、記念イベントもあったようだ。カタルーニャ・モデルニスモとして他にもジュジョール、モンタネールなど著名な建築家が紹介されており、特にモンタネールの設計したサン・パウ病院など実際にこの目で見たくなってしまった・・・。
機会があれば、立ち読みででもご覧になってくだされば幸いです。

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