2004年2月26日木曜日

Shelleyan Orphan / Shatter(1989)


(今日の80's #25)Shelleyan Orphan / Shatter(1989)
1987年に「Helleborine」でデビューしたShelleyan Orphanの2枚目のアルバム「Century Flower」からのシングルカット。レーベルはなんとROUGH TRADE。Shelleyan OrphanはCaroline CrawleyとJemaur Tayleの男女デュオで、ツインボーカルに管弦楽器を多用したネオ・アコ系の個性的なポップスを発表していた。ピーター・バラカン氏のポッパーズMTVで見た彼らのビデオクリップのイメージがとても印象的で、一気に惹き付けられたのを覚えている。オーボエやバイオリン、チェロが飛び回る室内楽的空間にCarolineのか細くて清らかなボーカルがふんわりと乗った素敵な音楽を提供してくれた。ホントキレイな声。3作目の「Humroot」(1992)を発表後、おそらく解散。CarolineはBabacarというバンドでボーカルをしているらしいが、詳細は不明。3枚とも今でも愛聴している大好きなアルバムである。

Future Cinema 来たるべき時代の映像表現に向けて

NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催されている「Future Cinema 来たるべき時代の映像表現に向けて」展に行ってきた。NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)は1997年にNTTによって設立された、科学技術と芸術文化の融合による「コミュニケーション」をキーワードとした先鋭的なアートを発信している施設である。
この100年間に映像は、テレビ、映画からパソコンモニター、携帯などのディスプレイ、電光掲示板に至るまで急激に進化を遂げ、分化し、生活に浸透してきた。現在何らかの映像をなくしては生活は成り立たず、しかも映像というメディア自体がさらに進化を続けてる。アーティストにおいてもこのメディアを駆使し、自らのアートを模索し続けている。この展覧会はそうした「来るべき時代の映像表現に向けて」模索され、表現されたアートの展覧会である。ともすればアートは単なるジャンクと紙一重の存在だが、そこには意思が存在する。僕たちは映像、絵画、オブジェクトを見る事によって何らかの感動、驚きを得たいが為にアートに対峙するのだ。近年パソコンも一般のものとして急激に浸透し、これを駆使する事により無限の可能性を模索できるようになったが、それと引き換えにアーティストに対する期待も高くなっているように思われる。
そういうわけで、この26人のアーチストの29の映像を駆使した作品群は、様々な表現方法を使いながら見る人に様々な刺激を与えてくれるはずだ。開催は今週末までなのでこの週末に是非。詳細は下記のリンクから。

NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
「Future Cinema 来たるべき時代の映像表現に向けて」開催中〜2004年2月29日(日) まで

2004年2月25日水曜日

CLIE PEG-TH55(とMacOSXとの同期)


先日、新発売のCLIE PEG-TH55を手に入れた。今回のCLIEは手書きが重視されており、スケジュールに直接手書きメモができるようになっている。実のところCLIEは二台目である。以前のCLIEでも手書きできないわけではなかったが機動性に欠け、とっさのメモもできなかったので僕にとっては使い勝手が良くなかった。グラフィティで一文字づつ入力するのもやはり面倒で、結局80円の手帳をメインに使っていたほどだ。その辺をついてくる辺りやはりソニーだなあと思う。逆にネット環境は無線LANしか対応しておらずやや省略されているようだが、遅いネット環境ではむしろ使い勝手も良くないし、出先であまりネットしないし僕はこれでいいと思う。以前のクリエと比べて画質も格段にキレイだし、速度も速いしグラフィティエリアが消えるので画面も広くて視認性も良い。ついでにメモ程度であるがカメラも音声メモも取れるようになっており、性能はかなり向上している。電池のもちが格段に良いのもありがたい。手触りもざらりとした感じでそれなりに高級感があり気に入っていて、最近は毎日持ち歩いて使用している。
さて、ソニーはそもそもVAIOも作っているのでMacへの対応は全く積極的でない。これは仕方のない事だと思うが、PalmのPalm DesktopもMacへの対応を中止し入手しづらくなっており、MacユーザーはますますPDAが使いづらくなっている。今後はサードパーティ(Missing SyncのMark/Spaceなどか?) がその辺のソフトをサポートするらしいのだが・・・。どうなるのだろう。
Mac環境でのHotSyncトラブル情報クリクラ!さん、マサトレさんのHPを参考にさせていただきMacOSX 10.3.2となんとか同期できたのでご報告。PalmDesktop 4.1(英語版)(Palm Desktop4.0日本語版は既にサイトからも消えており入手は難しい。現在ならPalm MagazineのCD-ROMには付属しているが、版が古いこともあり僕は英語版を使った)、iSync 1.4iSync 1.2 PalmコンジットMissingSync 3.0.9(入手はこちら)をこの順番にインストールし、PalmDesktop 4.1の簡単な設定をすれば、CLIE側からのHotSyncの起動で同期が可能になる。iSyncが立ち上がりiCal、アドレスブックと同期してくれるが、これらではなくPalm Desktopとだけ同期させたい場合はiSync 1.2 Palmコンジットをインストールさせなければいい(僕はインストールしていない)。ソフトウエアのインストールも当然可能。また、CLIE側からData Importを立ち上げればMac側でCLIEがハードディスクとしてマウントされる。またiPhotoで写真が、iTunesでmp3がやり取りできるようになる。ここまで出来たらMacだろうがあまり困る事もないので、いろいろと活用してみようと思っている。

Moon Phases

Moon Phasesをつけてみました。左のカレンダーの下です。
これで何かと便利になります。うそです。月の満ち欠けなんて僕の普段の生活には何の関係もないのですが、何だかいいですよね、こういうの。ちなみに僕のMacのデスクトップ(MoonNenu)にも腕時計にもこういったMoon Phaseがついています。
Moon Phases

2004年2月23日月曜日

Propaganda / Duel (1985)


(今日の80's #24)Propaganda / Duel (1985)英21位
Trevor Horn率いるZTTレーベルからArt Of Noise、Frankie Goes To Holleywoodに次いで1984年にデビューしたドイツのエレポップな4人組。ZTTレーベルは当時その驚くべき革新的な音で注目を浴びており、このバンドについても興味を持ってチェックしていた。デビュー曲「Dr. Mabuse」、3枚目のシングル「p-Machinery」のようなドラマチックかつ大げさな、全体的に重々しく暗いデジタルな曲調が彼ららしくドイツっぽかった・・・ように思われる。きまじめでちょっと暗く愛想のない感じというのが当時の僕のドイツ人のイメージであった。
ともあれ、これはアルバム「A Secret Wish」からの2枚目のシングルで、A面「Duel」は珍しく明るい曲で、鼻の詰まった竹内まりあといった感じの歌謡曲調エレポップである(とはいえアメリカの曲のような能天気さというより、なんだか地下の疑似的な晴天のような感じ)。しかし、特筆すべきは対になっているB面の「Jewel」。同じ曲の違うバージョンなのだが、これが過激で危ないエレクトロ・パンクなアレンジになってて興味深い。当時僕はこちらばっかり聴いてた。
昨年ZTTレーベル20周年という事でプロモビデオ収録のDVD付きで再発されたのだが、これまたLPとバージョン違いで・・・ZTTらしいというか。20年経って聴きなおしてみると、なんて言うかやっぱりドイツっぽい重いエレポップでシリアスでそしてカッコ良かった。再発見。
ファンサイト

2004年2月22日日曜日

Blog Map

Jackalさんのd-s-jというブログで展開されているBlog Map、早速登録させていただきました。とても面白い試みだと思います。どんどん増殖中のようです。
現在僕は研究で東京にいるのですが、地元の岡山で登録させていただきました・・・・。ご近所さん、それ以外の方よろしくお願いいたします。

2004年2月13日金曜日

Havana Club


(今夜の酒 #3)Havana Club
Cuba Libre(クバ・リブレ)というカクテルがある。ラムをコーラで割ってライムを搾ったものであるが、これが意外とうまい。「Cuba Libre」という名前はキューバがスペインから独立した1902年の合言葉「自由なキューバ万歳!」に由来しており、独立を支援していたアメリカのコカコーラでキューバのラムを割ったのが始まりとされる。今のアメリカとキューバの関係を考えると、なんと皮肉な取り合わせであろうと思うのだが。しかし、両国の関係はさておき、ラムとコーラがそれぞれの味を引き立てあってこれらの相性は抜群である。レシピは至極適当でいい。ラム適量にコーラ適量。当時はコカコーラしかなかったこともあり、それ以外のコーラで作ったものは偽物らしいが、今はキューバ産のコーラもあるようだ。キューバのクラブでラムのボトルとコーラだけを注文して適当に割って呑んでヘベレケで踊ったのを思い出す。ラムのくせが苦手な輩にも一度試して頂きたい。ついついイッテしまう。
他にラムのカクテルといえばダイキリやモヒートなどがある。特にモヒートはラムにミントの葉と砂糖を入れライム果汁、炭酸で割ったもので、すっきりとさわやかで呑みやすく非常にうまい。メニューにこれを見つけたら是非呑んで欲しい一品である。ただ、僕はラムは「Havana Club」と決めている。こういう事情もあるのだが、キューバが誇る酒であるし、キューバへのリスペクトでもある。
ところで、「Havana Club」は日本では3年、7年、シルバードライ、Anejo Reservaが流通しているが、実は本国には9年、15年、25年がある。25年物は以前のブームで観光客が買いあさって現在では当地でもまず手に入らないらしいが、15年物は今でも手に入る。70ドル〜120ドル。日本では手に入らない逸品でかなりうまいらしい(僕は買いそびれてしまったのだが・・・ああ、しまったなあ・・・ああ)。これからキューバに行かれる方は是非。

呑みながら書いてたら、やっぱり回ってきた・・・。

2004年2月5日木曜日

Hector Zazou / Strong Currents


(新譜)Hector Zazou / Strong Currents
1970年代から活躍するフランスの音楽家Hector Zazouの最新作。とはいっても、ヨーロッパでは昨年の9月ごろにリリースされていたようだ。最近気に入ってて繰り返し聴いている。
Hector Zazouは毎回ジャンルを越えたアーティストと音楽制作を行っているが、今回も然り。特にLaurie Anderson、Melanie Gabriel(Peter Gabrielの娘!)、Jane Birkin、Lisa Germano、Sarah-Jane Morrisなど全曲で女性ボーカルがフィーチャーされている。全体的にモノトーンな音数の少ないアンビエンスに彼女らの声が官能的に、しっとりと響いて美しい。バックトラックはピアノ管弦楽器、ギターを中心に、曲によってはエフェクトを使用。ピアノで坂本龍一も参加している。ボックスには100ページ弱のインタビューなどを掲載したブックレット入り。
Materiali Sonori
Telescopic(試聴可)

2004年2月4日水曜日

フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界


(新刊)進化する地球。舞台は500万年〜2億年後の地球である。今から数千年後の氷河期により人類は滅亡し、その後大量絶滅が繰り返された事で陸生、水生動物の多くの種が絶滅する。500万年後の氷河期の後、長い温暖な時期を経て、1億年後に火山活動が活発化する。二酸化炭素、有毒ガスの増加によって全世界の動植物のほとんどが死滅し、大陸は再び一つになり第二パンゲアを形成する。そしてわずかに生き残った生物たちはそれぞれの進化を遂げていく。
クモの家畜となる最後のほ乳類、鯨のような巨大ペンギン、4匹一組で鳥を襲う甲虫、陸に上がった8トンのイカ、空を飛ぶ魚類・・・生物は環境に合わせてそれぞれのニッチに適合する形で進化を遂げていく。そして2億年より未来はさらにワイルドな世界が広がるという。
それは単なる空想の物語でなく、過去の詳細な検証、生命のサイクル、多くの科学者たちの証言、膨大なデータに基づいて描かれていく。衛星放送のDiscovery Channelで放送された番組の本であるが、カラーのCGで奇妙な未来の生物が描かれており、生き生きとしていて眺めるだけでも面白い。また、文章もまるで動物番組を見るかのように現場が目の前に広がるようだ。所詮、僕らは明日の事さえわからないのだが、未来を想像する事はいつも興奮させられる体験だ。果てしない未来の歴史、未知の生命の物語である。

the FUTURE is WILD 「フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界」
ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス著
松井孝典監修、土井晶子訳
ダイヤモンド社 2004年
2400円

はでな表紙なのですぐに見つかると思いますが、一度ぺらぺらとめくってみてください。面白いですよ。
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