2003年10月22日水曜日

ドライアイスからダイヤモンド

二酸化炭素もダイヤモンドも黒鉛も不思議な事に炭素(C)から出来ている。炭素原子(C)は実は結合の手が4本あり、その結合方式によって結果的な物体の性状がまるで変わってくる。今回はそんなお話。
この度、中国科学技術大学の研究者がドライアイス(ドライアイスも固形化したCO2である)からダイヤモンドを精製したらしい。いままであるダイヤモンドの精製法は黒鉛を高温高圧にして作る方法と、メタンなどを低圧で化学蒸着する方法があるが、このドライアイスの方法は簡単である。
まず、ステンレスの容器を用意し、ドライアイスと金属ナトリウムを4:1で入れる。それを440℃、800気圧で12時間置けば、あら不思議、高純度のダイヤモンドが出来てしまう(簡単でない?あ、そお)。ドライアイスの8.9%がダイヤモンドになっているそうで、大きさは最大250μmとのこと。かかる採算と手間を議論しなければ、地球温暖化の悪者の二酸化炭素からダイヤモンドが出来てしまうという事である。
さて、ダイヤモンドは炭素原子の4本の手ががっしりと、整然と結合しているのでとても堅い。すこぶる堅い。これは誰でも知っている事項だが、実は熱に弱いことはあまり知られていない。ざっと、900℃程(たばこの温度程)で熱してやると、今度はダイヤモンドが二酸化炭素になって消えてしまう。火事などの時には一番に持って出るべきであろうね。
→参考現代科学11月号。発行、東京化学同人
→ちなみに温度の参考に

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