2003年10月30日木曜日

Yoshihiro Hanno / Lido


(新譜;CD;エレクトロニカ)Yoshihiro Hanno / Lido
半野喜弘の新譜はボーカルをフィーチャーした美しい作品となった。ピアノ、バイオリン、ギターなどのアンサンブル、電子ピアノ、声のコラージュ、グリッチノイズなどが繊細に配置された音響空間に、Arto LindsayやJohn Cageとの仕事でも知られるJoan La Barbara等の官能的とも言えるボーカルが高い次元で交差する。とりわけピアノや弦楽器の響きを重視した透明な音響空間は叙情的で崇高である。ドビュッシーやサティが現代を生きていたらこんな音楽を作ったかもしれない。
Yoshihiro Hanno Documentary Online

2003年10月29日水曜日

Microsoft Wireless IntelliMouse Explorer


さて、Microsoftというメーカーから出た新しいマウスを使ってみた。Microsoftは優秀なマウスを作るのでよく知られているが、この新しいマイクロソフトワイヤレスインテリマウスエクスプローラという早口言葉みたいな名前のマウス、売りはチルトホイールという水平スクロールで、なんと横にスクロールさせることができる。アップルのシンプルにデザインされたマウス(ボタンさえない)と比べると、人間工学に基づいた優秀な工業デザインといった感じだ。ぱっと見少し大きく感じるが、人間の手にすっぽりはいるこの大きさはちょうど手になじむように出来ている。実際使ってみると、やっぱりでかいよ。しかも重いよ。スクロールもホイールのクリックも力がいるよ。・・・ただこれはきっと慣れの問題なんだと思う。アップルのマウスは軽かったからなー。それはさておき・・・縦方向のスクロールは実になめらかで、細かくスムーズにスクロールする事が出来、非常に気持ちがいい。また、横方向のスクロールは少し雑な動きながらも、今までにない動きだけに非常に便利である。そしてよく見るとボタンが5つもある。なんでこんなにボタンがいるの!と思ったが、当然それぞれにアクションが割り当てられ、今回左のクリックは単なるクリック、右はコンテクストメニュー、ホイールボタンはコマンドクリック(つまり、このクリックでSafari閲覧時、後ろのタブでリンクが開ける)、親指手前はコマンドQ(つまり「終了」)、親指遠方よりは「辞書を開く」、と割り当ててみた。すると、これが結構便利で・・・。しばらく使ってみるとこの大きさ重さもきっと慣れ、手放せなくなる可能性を秘めている。今は手がだるくなるけれどもね。
アップルはホイール付きマウスが出る出るといわれながらも、シンプルなワンクリックにこだわってきているのだが、この複数ボタンとホイールは一度使うと止められない。アプリケーションやOSの機能も複雑化してきており、そろそろこういうマウスを導入してはどうだろうかと思う。
ちょっと思いついたのだが、親指側にホイールをつけてみてはどうかな?昔のソニーの携帯(SO206とか207のころの、くるくるぴっぴ)のような感じで。かなり操作しやすいように思うけど。どこか製品化してくれないなあ。

2003年10月28日火曜日

World Travel 〜 世界の車窓から


(新譜、コンピレーションCD)V.A. / WORLD TRAVEL - See the world by train
車窓をテーマに、毎回5分という短い時間に旅情を詰め込んだ傑作テレビ番組、「世界の車窓から」。一度は目にした事があるかと思います。もう16年も放映されているんですね。列車の旅、停車駅を軸に、現地の素朴な人々やその生活をスケッチしていくのですが、たった5分間で旅に出たような気分にさせてくれます。
僕も列車での旅が好きです。トーマスクックの時刻表を片手にヨーロッパを回ったり、北京から烏魯木斉まで砂漠を眺めながら2泊3日かけて行ったり・・・。いろいろな国で列車に乗ったのですが、乗り合わせた現地の人たちとの身振り手振り筆談を交えた会話が楽しかったり、名もない駅でふと降りたいという衝動にかられたりとか、仲よくなった人が「僕ここなんだ、じゃあ」と降りていく時の寂しさとか・・・。最近は線路のない国への旅が主だったのですが、久しぶりに列車での旅をしたい気分になっています。次はどこに行こう?
さてこの番組、旅情をくすぐるBGMも結構絶妙です。選曲は現地で撮影をしたディレクターが自ら行っているそうで、毎回映像に合わせたこだわりの曲がBGMになっています。このアルバムは番組でオンエアされた曲のコンピレーションになっているのですが、これが実にセンスのいい選曲で見事に旅心をくすぐられます(はじめはよくあるコンピレーションかと思っていたんですけどね、実は)。一曲目に番組テーマ曲である溝口肇氏の「世界の車窓から」が収録されていて、この曲ですでに心は旅に出てしまいます。あー、やられました。今すぐどこかへ旅に出たいよ!
世界の車窓からホームページ

アルメニア語で自分の名前を書いてみよう


おそらくPanther(Mac OS X 10.3)で初登場じゃあないでしょうか?入力メニューに「アルメニア語」が追加されています。バージョンとともに世界中の言語にどんどん標準で対応していくのは、非常に正当な事と思い感心する次第です。
さて、アルメニア語ですが、僕が初めて知ったのは高校の頃でした。もともと文字には興味があったのですが、この文字を知ったのは結構後になってからで、まだこんな見た事のない文字があるんだなあと興味を引かたのを覚えています。なんだか独特な形が違和感あります。
アルメニア文字は4世紀に大主教メスロプ・マシュトツさんが考案したものとされ、ほとんどそのままの形で現在も使われています。39文字、そのうち子音字が30文字と子音の発音が異常に豊富です。現在はアルメニア共和国を中心に世界で600万人がこの言語を使用しているようです。
さて、こんなホームページを見つけました。Satoshi Uenoさんの「世界の文字で遊ぼう」というホームページですが、ここにアルメニア語も紹介されています。この中で「かな・世界の文字変換」というコーナーがあり、平仮名を世界の文字に変換してくれます。上のものは僕の名前をアルメニア文字で表記したものですが、その他にも縦書きのモンゴル文字などいろいろな文字に変換してくれます。結構おもしろいですよ。よくできています。因に下は自分の名前をヒエログリフで書いてみました。カルトゥーシュに入って王様のようです。

世界の文字で遊ぼう
かな・世界の文字変換

2003年10月27日月曜日

枯葉・・・のような虫

今朝、仕事に行く為に家を出たら、マンションのフェンスにこんなものが着いていた。
一見枯葉に見えるそれには、よく見ると足があり、触角がある。なんだこれ?
枯葉の擬態をする虫で頭に浮かんだのは「コノハチョウ(これとかこれとかこんなの)」であったが、沖縄の天然記念物が岡山にいるのもちょっとどうかと思うし、そもそもどちらかといえばチョウというよりガである。
羽のとじ方や触角などもガに近そうだ。
ネットでちょっと調べてみると「アカエグリバ」や「カレハガ」が引っ掛かってきた。でも、少し違うような・・・。
おいおい、こんなところで枯葉の格好しててもむしろ不自然だって。
しばらくじっと眺めてたら少し遅刻した。少しだけね。

これ、なんだかわかる人は教えてください。待ってます。

2003年10月25日土曜日

Panther(Mac OS X 10.3)ファースト・インプレッション

さて、なんのかんの言いながら早々にPantherにアップグレードしました。そのファーストインプレッションを。

<パッケージ>・・・インストールCD3枚とXcode Tools CD1枚。とうとう3枚になったのですね。普通のインストールで使うのはCD1とCD2。CD3は「追加の言語」とか、「X11」などです。

<インストール>・・・とにかく時間がかかります。OS8の頃は遅いマシンでも7分程度だったのに、Pantherでは僕のG4 1GHz dualで55分(Disc1が26分、Disc2が29分)、Powerbook12"867MHzでは75分かかりました。マシンの条件もあるでしょうが、インストールを始めるのは十分に時間のある時にしましょう。途中止めも出来ませんし。インストール自体はいたって簡単です。ハードディスクには1.3Gの空き容量が追加で必要です。これまた大きいですね。

<起動>・・・起動は速くなっています。Jaguar(10.2.8)で1分12秒だったのが50秒ほどに短縮しました。起動時の青いリンゴはメタリックなリンゴに変更になったようですので、名残惜しい方は写真にでも撮っておいてください。

<10.3>・・・全体的な動作は10.2.8より確かに速く、きびきびとしています。ファインダーはいろいろと変更されていますので、まだいじって遊んでいる程度ですが、新しいナビゲーションシステムは確かにわかりやすいです。ファイル名のラベルが復活しるのが嬉しいです。 アプリケーションを開く時に、ふわっと幽霊が飛び出してくるようなアクションになっていますが、なんか気持ち悪いです。 時計も時報を読み上げる機能がつきました。なんといっても特筆すべきはExposeです。F9のキーで重なったたくさんのウインドウが、しゅっ、と小さく整理され一覧できます。下に埋もれたウインドウを探す時にかなり便利です。使っているうちに良さが実感できるような気がします。PreviewMailの動作もきびきびと体感でわかるほど速くなっています。Adobe Readerの存在意義が危ぶまれます。Safariもアップされているようで、以前文字化けが多かったサイトをいくつか試したのですが、いまのところうまく表示されています。これはうれしいです。iChatAVは正規版にアップしています。またiDiskがオフラインでも使えるようになっていて、通信が遅い私の家では便利そうです。ファーストユーザスイッチはマルチアカウントで使っていないので、試していません。FileVaultもまだです。

というわけで、14800円が高いかどうかは難しいところですが・・・。目新しいソフトウエアが増えたというわけではなく、全体的な速度のアップとファインダー周りの細やかなチューンアップがメインですから。しかし、使っているうちに良さがじんわりとわかってくるバージョンだと思います。OSの安定性や体感速度というものはいろいろな作業をする上で、ストレスにかかわってくる事だと思います。気持ち良く作業できる事が重要ですから。そういう意味では順当なアップグレードかもしれません。
さっと使った感じはこんなところです。また新しく感動するような事がありましたら報告します。

Jill Jones / Mia Bocca(1987)


(今日の80's #21)Jill Jones / Mia Bocca(1987)
この曲知ってる人がいたら是非コメント欲しいです。個人的にはかなり宝物な一枚(とあるレコード屋でなんと3枚100円で購入)です。プリンス一派、当時23歳だったJill Jonesのデビューアルバム「Jill Jones」からの12"シングル。オハイオ州出身、イタリア人の父と黒人の母の混血として生まれ、1980年頃からTeena MarieやPrinceのバックで活動していたようです。この曲のタイトルはイタリア語で「わたしのくちびる」。なんかとてもエッチです。セピア調のビデオも傑作で、荒野で風にたなびくシーツにまとわりつかれながら歌う姿は色っぽく、艶めかしく・・・素敵でした。このアルバムもプリンス調のファンクからR&Bまでセクシャルな曲も多く、かなり隠れた傑作です。今では廃盤で結構手に入りにくいのですが・・・。このアルバムからはこの曲を含め3枚のシングルがあるもののチャートには一曲も入っていません。何故何故何故?その後プリンスの元を離れ、現在も地味な活動をしているようです。2001年に「Two」というアルバムを発表しています(全くプリンスとは感じが違います)。
Jill Jonesオフィシャルサイト

2003年10月24日金曜日

文章を削るということ

かなり昔、テレビで藤本義一さんが言われていたと記憶しているが、作家はとにかく文章を削る。削って削って、さらに削る。そして内容の濃い文章を作る。例としてこんな文章が挙げられていた。「私が○○と結婚し夫婦となってから20年の月日が経過した。その間・・・」という文章を削るのだが、例えば、妻とは結婚しているのが当たり前だから、結婚という言葉は省ける等々。最終的に出来上がった文章は→「妻との20年、・・・」。目の覚める思いだった。逆にしゃべる時は濃縮してある文章を延ばせば良いから簡単だ。「ふえるわかめちゃん」みたいにお湯をかけてやれば何倍にも膨らます事が出来る。作家がしゃべるのは簡単なのだそうだ。
医者という職業もとにかく文章を書く事が多い。患者さんの側にいるより文章に追われているほうが多いとも言える。診療情報提供書、レセプト、入院証明書、介護保険意見書、身体障害者申請書、特定疾患申請書などの書類、カルテ、学会発表、論文・・・。カルテなどはどうしても必要最小限な所見の殴り書きになってしまうが、逆に診療情報提供書などは分かりやすくないと意味がない。病歴の長い患者さんや難しい疾患の患者さんの場合、書く事が多すぎてまとめるのに時間も労力もかかってしまう。そして書きたい事は多いが書き過ぎると論点がぼけてしまう。取捨選択して重要な事だけが分かりやすくまとめないと意図が伝わらない。また、学会や論文などのabstractは非常に短くまとめる必要がある。重要事項をピックアップすると字数制限の2〜3倍の大きさになる。これをさらに焦点をぼかさず削るにはその事項への深い知識が必要である。つまりうまくまとめられるという事は物事をよく知っているという事に他ならない。
いつも何か文章を書くと、とかく修飾語過剰の文章が出来やすい。足すのは簡単なのだ。そこから推敲して削っていく事が難しい。削って内容が薄くなったり、分かりにくくなったのではしょうがない。読みやすく濃度の濃い文章を作りたいものだといつも思う。僕は文章を書くのが大嫌いである。色々こういう文章を書いて練習してみたりするのだが・・・・。その拙い出来は上下やこの文章をお読みになれば理解されることであろう。

米国でPanther(MacOSX10.3)発売?


米国で先程(日本時間午後8時)Panther(Mac OS X 10.3)が発売になったようです。
カウントダウンが「0」になりましたし・・・。
と思ったら、また2日前に戻ったり・・・(左から順番に見てね)。
あれー?
日本では明日の25日(土)午前9時のようです。

2003年10月23日木曜日

Wang Chung / Everybody Have Fun Tonight(1986)


(今日の80's #20)Wang Chung / Everybody Have Fun Tonight(1986)米2位
1979年にイギリスでHuang Chang(「黄鐘」と書くらしい)としてデビューした時は4〜5人いたはずのメンバーが、「Points on the Curve」(1984)の頃は3人に、そしてこの「Mosaic」(1986)発表時にはNick FeldmanとJack Huesの2人へと、どんどんメンバーが減っていくWang Chung。1986年に大ヒットしたこのナンバーは、意外とみんな許してしまう楽しいパーティ・チューン。「Everybody Wang Chung Tonight !」というフレーズはきっと誰しも笑った80年代の名フレーズ。明らかに形の異なる二人がコマ毎に重ねられてチカチカするビデオは、たしか記憶ではGodley & Cremeの作品だったと思う。このアルバムからはこの曲以外にも「Let's Go」、「Hypnotize Me」など珠玉のポップスがヒットした。意外に今でも楽しいポップなアルバムである。しかし何故かこの曲はイギリスではチャートには入っていない。今は解散しそれぞれで活動している・・・と思う。よく知らないけど。

ヒエログリフ入門・吉成 薫著


(書評)小さい頃から「文字」に興味があった。幼少期、祖父の家には世界旅行の本があり、巻末に簡単な会話のページがあった。そのページには現地の文字が表記してあり、その異国の文字に魅かれそのページばかりを見ていた。この記号のようなものが理解できたら住むところも生活も全く異なる人たちと意志疎通が出来るかと思うと、写真の中の彼らが身近に感じた。それがたとえ生きている時代が異なってもそうなのだ。古来から人類は言葉を使って様々な事柄を残そうとしてきたが、古代エジプト文字の「ヒエログリフ」もそのひとつである。ピラミッドやツタンカーメンなどのエジプトの遺跡に書かれている、人や鳥などの象形文字がそれだ。
僕は約10年前にとある書店でこの本に出会った。「はじめに」に記されているのだが「この本の目的はヒエログリフを読めるようにすることである。簡単な文法とある程度の単語さえ知っていれば、誰にでも読みそれを理解することが出来る」とある。もー、興奮したね。
古来からヒエログリフは長く謎に包まれたままであったが、1799年ナポレオン群の遠征の際にロゼッタストーンが発見され、ヒエログリフ、デモティック(一般エジプト人の言葉)、ギリシャ語で同一の内容が書かれたこの石によって解読が達成する。この解読にも長い年月を要し、多くの学者が断念しているが、最終的に解読を達成したのはジャン・フランソワ・シャンポリオンである。彼がヒエログリフが表意文字である以上に表音文字であることを提唱し、一気に解明が進んだ。1822年のことであった。彼の死後も多くの学者の努力によって現代では古代エジプト文字はほぼ完全に読みこなせるということだ。ヒエログリフでは白い丸(カルトゥーシュ)に囲まれているのが王の名前であり、文章は文字の頭の向いているほうから読み始める。文字は意味を表すばかりか音を表し、主に表音文字として機能する。ただ母音がなく子音字のみであり、発音は正確にはわかっていないため便宜的なものであるらしい。この本には名詞、形容詞、動詞、疑問詞など文法の解説、死者の書、王墓に書かれた文章、医学書、生活に疲れたものの詩などを例文にとり、その翻訳を通じヒエログリフの理解を目指す。さらには、名前をヒエログリフで書いたり、日記を書いたり、「ぞうさん」や「さっちゃん」の歌詞や、果ては「方丈記」までヒエログリフに訳してみたりと・・・・遊び心も全開で面白い。巻末には辞書までついており、ヒエログリフを勉強される方にも白眉の書と思われるが、そうでない方も古代エジプトに思いを馳せるのにおもしろい内容である。ヒエログリフに興味のあるあなたに絶対のお勧めであり、マニアの域を超えたすごい本である。僕はエジプトに行く前にちょこちょことしか読んでいなかっただけに、実際の遺跡の文字はさっぱり理解できず残念だったが、次回訪れる時にはもっと勉強して少しは理解できるように・・・無理か。
ヒエログリフ入門 古代エジプト文字への招待・吉成 薫著
弥呂久ブックス・1993年新装一刷発行
amazon
Egyptian Hieroglyph Room・・・K.Takaiさんのヒエログリフのサイト。すごくよく出来ています。この方も同書との出会いがヒエログリフのきっかけと語っておられ、興味深いです。

2003年10月22日水曜日

R.E.M. / Fall On Me(1986)


(今日の80's #19)R.E.M. / Fall On Me(1986)米94位
さて、R.E.M.については現在でも活躍中ですし、ベストアルバム「In Time: The Best Of R.E.M. 1988-2003」も発表されたばかりなので別に説明も要らないでしょう。
インディーズレーベルのI.R.S.から発表された初期の名作「Lifes Rich Pageant 」(1986)からのシングルです。当時洋楽を聴いていた人で、R.E.M.なんか聴いてた人でしたらカレッジチャートを覚えていらっしゃるでしょう。アメリカの大学生が主体のとんがったラジオチャートでしたが、R.E.M.はそこで絶大なる支持を受け爆発していったアーチストでした。この次のアルバム「Document」(1987)からの「The One I Love」で世界的にブレイクし、1989年メジャーレーベルWarnerに移籍するのですが、メジャーに移籍しても昔からのファンを裏切らなかった、いい意味でインディーズくささを残したバンドでした。
この曲は酸性雨を扱った社会的なメッセージも含んだR.E.M.初期の名曲です。当然、今回出たメジャーでのベストには入っていません・・・。
R.E.M.オフィシャルサイト。ビデオも曲も試聴できます。

iBook G4登場

なんの前触れもなくiBookG4が登場しています。
しかも、12"は900MHzG4、14"は933MHzと1GHz・・・。
あれっ!?僕のPowerbookG4より速い?あれっ?しかも安い?
ますますPowerbookとの差別化が難しくなってきました。
Panther搭載で10月25日から発売とのこと。詳細は下記のホームページで。
アップル
iBook G4

幻の青いバラ


色々なバラの中で「青い」バラだけが自然界にないのは有名な話であり、その青いバラを作り出す研究が古来から世界中でなされているのも知られた話である。勾配を重ねる方法、遺伝子操作をする方法、放射縁などで突然変異を起こさせる方法などが多くなされ、青に近い色のバラ(多くは紫)は出来ているものの(ブルーヘブン青龍(写真)、青いバラに似たトルコギキョウ)、現代の科学をもってしても未だに完全な青いバラは完成していない。
そもそもバラには青い色素を作る遺伝子がない。以前サントリーが多くの青い花に含まれる「デルフィニジン」という色素を作る遺伝子をトルコギキョウから単離したが、この遺伝子を組み込んでもいまだ青いバラは完成していないようである。青くなるにはその他の要因が複雑にからんでいるものと考えられる。今年になって青森県は「チョウマメ」が青い花を咲かせために必要な遺伝子(新規グルコシル基転移酵素遺伝子)を発見した。この遺伝子は「デルフィニジン」と結合し「青」を発現するのに重要な物質を作るらしい。今後トルコギキョウの遺伝子に加えこの新しく単離された遺伝子の導入が行われ、青いバラの実験が繰り返されるとの事である。ただ、この他にも金属イオンの存在や細胞のpHなど他にも要素があるものと思われ青いバラが実現するのはもう少しかかりそうだ。
ところで逆に、何故バラには青くなる要素がないのか?どうしてそこまでして青くなろうとしないのか?。むしろその方に関心がいく。実は不可侵な領域ではないのか?多大な労力や遺伝子操作、人間の科学の粋を集めてまでそれを追い求める魔力が「青いバラ」にはある。僕もひとめ見てみたいと思う。しかし、心の中では「青いバラ」はいつまでも夢のままであって欲しいと思ったりしている。
(追記;2004年6月30日)サントリーが青いバラの開発に成功したそうです。「デルフィニジン」を産生するのに必要な遺伝子の導入に成功、花弁にほぼ100%含有出来るようになったとの事です。科学はここまできたんですね。うれしいような、悲しいような。(サントリー
→参考;Yahoo!ニュース毎日新聞

Tears For Fears / I Believe(1985)


(今日の80's #18)Tears For Fears / I Believe(1985)英23位
Roland OrzabalとCurt SmithのTears For Fears(バンド名はアーサー・ジェノブの著書『Primal Scream』の"恐怖感の代わりに涙を……"という一節からとられた)の2枚目となるアルバム「Songs From The Big Chair」は、それ以前の繊細で傷つきやすい少年といったイメージから、力強さの加わった成長した印象を付け加えた。知的で洗練された傑作アルバムであり、彼らの代表作と言えるだろう。
このアルバムからは、かの有名な「Shout」、「Everybody Wants To Rule The World」の大ヒットが生まれ、計5枚のシングルが切られた(僕は「Head Over Heels」とこの曲が好きである)。この曲は5枚目のシングルカットで、Robert Wyattに捧げられている(「もし彼が聴いていれば」と注釈がある)。ピアノとサックスにボーカルだけの静かな佳曲で、Rolandのボーカルが時につぶやくように、時に力強い。因に12インチの「A Soulful Re-Recording」というバージョンはライブ録音であり、B面にそのRobert Wyattの「Sea Song」のカバーも収録されている。
さて、この後アルバム「Seeds Of Love」を発表後、Curt Smithが脱退しRoland Orzabal一人のユニットになるのであるが、なんとこの11月に再び二人揃ってシングルと来年2月にアルバムを出すらしい。「Everybody Loves A Happy Ending」というタイトルとのこと。これも楽しみ。
Tears For Fearsファンサイト

ドライアイスからダイヤモンド

二酸化炭素もダイヤモンドも黒鉛も不思議な事に炭素(C)から出来ている。炭素原子(C)は実は結合の手が4本あり、その結合方式によって結果的な物体の性状がまるで変わってくる。今回はそんなお話。
この度、中国科学技術大学の研究者がドライアイス(ドライアイスも固形化したCO2である)からダイヤモンドを精製したらしい。いままであるダイヤモンドの精製法は黒鉛を高温高圧にして作る方法と、メタンなどを低圧で化学蒸着する方法があるが、このドライアイスの方法は簡単である。
まず、ステンレスの容器を用意し、ドライアイスと金属ナトリウムを4:1で入れる。それを440℃、800気圧で12時間置けば、あら不思議、高純度のダイヤモンドが出来てしまう(簡単でない?あ、そお)。ドライアイスの8.9%がダイヤモンドになっているそうで、大きさは最大250μmとのこと。かかる採算と手間を議論しなければ、地球温暖化の悪者の二酸化炭素からダイヤモンドが出来てしまうという事である。
さて、ダイヤモンドは炭素原子の4本の手ががっしりと、整然と結合しているのでとても堅い。すこぶる堅い。これは誰でも知っている事項だが、実は熱に弱いことはあまり知られていない。ざっと、900℃程(たばこの温度程)で熱してやると、今度はダイヤモンドが二酸化炭素になって消えてしまう。火事などの時には一番に持って出るべきであろうね。
→参考現代科学11月号。発行、東京化学同人
→ちなみに温度の参考に

2003年10月21日火曜日

携帯電話とデザイン - au design project


携帯電話ほど一般に普及し、しかも各社からいくつもの製品が発表されておきながら、そのどれもがデザイン的に平凡で、「右ヘナラエ」的に個性のない工業製品もないのではなかろうか?
携帯電話の普及はこの5〜6年の間に一気に起ったように記憶している。この間、機能は電話のみから、メール、インターネットの閲覧、アプリケーションへ、画面も白黒からカラーとなり、そしてカメラがついた。以前は「軽量化や薄型化」がそれらの売り文句だったが、「多機能化」が売り文句となり、今はどうやら「サービスがいかに安いか」を競っているようである。それらは各社のユーザーの求めているものの結果であろうし、それなりに正当な利用があるのだろう。メールなどの機能も以前は付加的な機能であったが、今ではなくてはならない機能となり、(個人的にはカメラは必要ないのだが)カメラにしてみても新しいコミュニケーションに必須のものとなりつつあるようだ。
しかし、デザインはどうしてああも同じようなデザインで、しかもどれも貧困なのだろうか?ここで以前から注目していたプロジェクトがある。KDDIの「au design project」がそれなのだが、以前から時に話題になるので知っておられる方も多いだろう。これは2001年にスタートしたプロジェクトで、デザイナーとのコラボレーションで様々なコンセプトモデルを提案して来ている。今年10月にはINFOBARというモデルが製品化第一段として発表され注目されている(この中ではNISHIKIGOIとICHIMATSUは個人的にはどうかなと思うがBUILDINGはスマートなデザインと思う。奇しくもPowerbookG4に似ている)。また、上の写真はオーストラリア出身のデザイナーMarc Newson氏による「talby」というデザインのモデルだ(未発売)。シンプルでソリッド、そしてユーモアもある。是非とも製品化して欲しいモデルだ。
今では携帯電話はいつでも身近に持ち歩き利用するものだからこそ、そのデザインはおろそかにできないものと思う。いつも持っていたいデザインであって欲しい。
僕個人としては携帯電話は、電話機能とメール機能、簡単なネット接続(辞書や地図を使うので)ができ、画面は白黒でいいしカメラは要らないから薄くて軽いヤツ、そしてデザインが上のモデルのように洗練されていたら、(DoCoMoから)キャリアーを変えてでも手に入れるが、どうだろう?
au design project

2003年10月19日日曜日

Matt Bianco / Whose Side Are You On?(1984)


(今日の80's #17)Matt Bianco / Whose Side Are You On?(1984)
Danny White、Mark ReillyそしてBasia在籍していた初期のMatt Bianco、ファーストアルバムからのタイトルトラック。何故か、英米ともにチャートインはしていないようです。
ロンドンのナイトクラブ、ジャジーなラテン系ダンスポップアルバムですが、この曲はジャズ風な味付けで、Basiaのボーカルとスキャットがなかなかいい感じです。打ち込みの音は今ではややチープですが・・・。邦題は何故か「探偵物語」!。そんな感じと言われれば、往年のスパイ映画や探偵映画を彷彿するようなしないような・・・。
このアルバムの後Basiaは円満脱退、ソロとしていい感じの活動を続けています。またDanny Whiteも脱退し、2枚目のアルバム以降はMark Fisherが加入、Mark Reillyとのユニットとなり現在も活動中です。
Matt Biancoのサイト

2003年10月18日土曜日

松茸について

バイト先で松茸をいただいた。
一人暮らしをしていると季節感のないもので、仕事への運転中、道端に「松茸」の看板が増えてくると、ああ、そういう季節なんだなと思う程度である。そもそも松茸のようなものは一人暮らしなどしていると縁のないもので、高価なものだという認識しかない。だから「美味しさの生きる」「勿体なくない」食べ方を是非しないといけない、と考えてしまうものだ。では、「美味しさの生きる」「勿体なくない」食べ方とは何だ?と考えても経験のない僕はそうそう思いつかないので、実家に持って帰る事にした。
そういえば、松茸を最後に食べたのはブータンを旅している時だった。ブータンでは松茸は普段食べられている珍しくないきのこであったが、日本では高価で流通するということがわかってからは輸出に回され、ブータン人の口に入らなくなったという。ブータンを旅しているとき、(僕が日本人であるからだと思うが)あちらこちらで食事に松茸が振る舞われ、その度になんだかやるせない感情を抱いた。もっともそれは日本が悪いわけでも、ブータンが悪いわけでもないのだけれども。
そんなことを考えながら、はたして松茸と僕は実家に着いた。そして今日は久々に家族が全員そろっての食事となった。やはり実家でも滅多に松茸なんか食べないものだから、「美味しさの生きる」「勿体なくない」食べ方とは何だとあーだこーだ言いながら、お吸い物にしたり、焼いて醤油につけて食べたり・・・。いろいろな方法でいただいた。どう食べても、その独特の風味といいこりこりとした歯ごたえといい馥郁たるおいしさだった。
でも結局、家族が集まってあれやこれや言いながら食べるという事、それ自体に美味しさの素因があるのではないかと思った。

2003年10月17日金曜日

Celebrity Playlist - iTunes Update

昨日Appleのミュージックイベントが行われ、予想されていた通りにWindowsに対応したiTunesとMusic Storeが発表されました。英語版は本日からダウンロード開始されており、米国ではMusic Storeも本日から利用できるようです。日本語版のダウンロードは10月21日より開始される予定(→アップルのニュースリリースホットニュース)で、Windowsユーザーの方のご意見をお聞きしたいところです。もっとも日本ではMusic Storeの曲は試聴しかできませんが・・・。
他に特筆すべきは本日からCelebrity Playlistという項目が追加されています。これは有名アーティストたちのパーソナルプレイリストを閲覧、試聴することが出来るというコーナーで、そのアーチスト自身の選曲した曲に対するコメントも見ることが出来ます。アーチストごとになるほどと思わせる選曲が多いですが、中にはこのアーチストがこの曲を?といった意外なものもあり、見ていて面白かったです。ぜひお試しください。
またiTunes Music Storeは10月末までに約40万曲以上を提供する予定とのことです。基本的に僕はCDなりレコードなりを自分の足で歩いて探すのが好きなのですが、地方に住んでいるとなかなかそうとばかりもいかず、こういったネット上の音楽配信システムが充実するのは嬉しいことです。また音楽の試聴が良い音で出来るというのもその曲の良さを伝える上で必要なことと思いますが、その点でもiTunesは良いと思っています。願わくば、廃盤となってしまっている曲の復活を是非充実させて欲しいです・・・・。そして何より、日本でのサービスを早く始めて下さい・・・・。

Fairground Attraction / Kawasaki Live In Japan 02.07.89


(新譜CD)Fairground Attraction / Kawasaki Live In Japan 02.07.89
1988年、イギリスのチャートで突然一位に躍り出た彼らの曲「Perfect」は僕にとってはかなりの衝撃だった。ラジオでこの曲を聴いた次の日にはレコードを買っていた。それほど突然に気に入った。簡単に書いたが、当時高校生で少ないお小遣いの中から一枚のアルバムを買うということは簡単ではなかったし、そもそも家が田舎のためレコード屋まで遠くそれだけで一日仕事だった。しかしそうして買ったこの彼らのファーストアルバム「The First Of A Million Kisses」はエリオット・アーウィットの写真を使ったジャケットとともに、未だに一番のお気に入りである。Mark E. Nevinの叙情的でイメージの広がる歌詞と繊細な曲、Eddi Readerの時に囁くように、時に情熱的に歌い上げる美しいボーカル、アコースティックを基本にした技術的にも優れたバンド。全てが素晴らしかった。
このバンドの初来日は1989年(僕はちょうど浪人しており、予備校の寮にいた)、当然僕は行くことが出来ず、ラジオで放送されたこのときのライブ番組を録音して大切に聴いていた(7曲しかオンエアされなかったが、このCDに入っていない「Smile In A Whisper」もオンエアされた)。大学に入ったら彼らのライブに行くぞ!と思っていたのもつかの間。その直後にあっけなく解散してしまい、全ては夢に終わってしまった・・・。
しかしそれから14年たった今、なんと!このときの幻のライブがCD化された。その事情はよくわからないが、素直に嬉しい。新曲はライブで先に披露してからアルバムに録音するといっていた彼ら。このライブアルバムには2枚目のアルバムに収録される予定だった未発表曲が8曲収録されている。このアルバムを聴いてるとホントあの頃が蘇る。行く事の出来なかった最高のライブ!素晴らしいバンドだった事を再確認している。

Eddi Readerのオフィシャルサイト
Mark Nevinのオフィシャルサイト
日本のFairground Attractionファンサイト

2003年10月16日木曜日

Edie Brickell & New Bohemians / What I Am(1988)


(今日の80's #16)Edie Brickell & New Bohemians / What I Am(1988)米7位、英31位
さて、今日はこの曲。アルバム「Shooting Rubberbands At The Stars」からのシングル。Edie Brickellのちょっと音程のはずれかかる(それがいいのかもしれません)、舌っ足らずで投げやりなヴォーカルがツボなこの曲、バックも意外とちゃんとしたロックで聴かせます。彼女自身の手によるちっとも可愛くない猫のジャケットもちょっといい感じでしょ?
その後はなぜかヒットに恵まれずアルバム2枚だしてバンドは解散。1992年Paul Simonと結婚。現在はソロとして活動しており、最新アルバム「Volcano」がそろそろ出る頃ですよ。実は楽しみです・・・。
Edie Brickellのオフィシャルサイトファンサイト


2003年10月15日水曜日

NanoKids Made In Lab


envol! VJさんのBlogで知ったネタですが(勝手に使ってすいません)、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)でできた人形(NanoKids)らしいです。科学雑誌「Nature」に掲載されています。当然生きてはいませんが、動くらしいです・・・。こんなものを科学的に作成できる技術にも驚きますが、何よりこんなものを一生懸命作っている方がいらっしゃると知って、何だかほほ笑ましい気分になりました。上の図はNanoKids論文で使われていた参考文献のフィギュアを拝借しました。

Nano Kidsのホームページ
→ Natureの記事
→ その参考文献
・・・まだよく読んではいませんが。

アントニ・ガウディとモデルニスモ - HOME2003年11月号より

アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi、1852〜1926)の建築物とミロやピカソの美術館を目的にバルセロナに向かったのはもう15年近く前の事である。スペインは他にもダリなど特異なアーチストを多く輩出しており、例えば北欧のムンクなどと比べても明らかにそのベクトルは違うように思われる。さて、ガウディはカタルーニャ・モデルニスモの著名な建築家であることは言うまでもないが、バルセロナには今でも30点程の「作品」が点在する。もっとも有名な作品は何といってもサグラダ・ファミリア(聖家族、Sagrada Familia)であろう。早朝バルセロナに着いた僕は近くの汚いカフェでコーヒーを飲んだり、正面の公園で行き交う人を眺めたりしながらサグラダ・ファミリアが開くのを待ち、開場とともに狭いらせん階段をてっぺんまで駆け登った。らせんの中心部分に手すりはなく、下手すれば下まで落ちそうだった。サグラダ・ファミリアは1882年に着工され、1883年からガウディが2代目建築家として就任している。この時彼は31歳。完成までに100年かかるとも200年かかるとも言われ、それが出来上がった時には最初に建築された部分の修復が必要になり、結局永遠に完成される事がないとも言われる。また、サグラダ・ファミリアは設計図がないらしい。彼の死後も彼の意志を引き継ぐ建築家が作業を続けているという。僕が訪れた時も、なんだかのどかに作業が続けられていた。ともあれ、その姿は様々な曲線が多用された見れば見るほど複雑な作りで、音や光までも美しく配慮された唯一無二の造形美を誇っていた。余談だがガウディ自身は1926年(74歳)に路面電車にひかれ死去するが、ローマ法王庁の許可でサグラダ・ファミリアに埋葬されているらしい。
また他にも現在も住居として使用されているカサ・ミラ(Casa Mila)が素晴らしかった。石切り場とも言われるこの建築物は、波打つような曲線が美しい。住居なので中には入れなかったが、外から堪能したのを昨日のように覚えている。
さて僕は建築に特に興味があるというわけではないが、HOMEの今月号がガウディの特集だったのでついそんなことを思い出しながら見入ってしまった。2002年が生誕150年だったようで、記念イベントもあったようだ。カタルーニャ・モデルニスモとして他にもジュジョール、モンタネールなど著名な建築家が紹介されており、特にモンタネールの設計したサン・パウ病院など実際にこの目で見たくなってしまった・・・。
機会があれば、立ち読みででもご覧になってくだされば幸いです。

→ 東京都現代美術館、「ガウディかたちの探求」展は2003年10月4日〜12月14日まで開催。
→ ガウディを訪ねてフォトギャラリー
→ ガウディ・ファン倶楽部
→ Antoni Gaudi
→ X-Knowledge HOME

Club Nouveau / Lean On Me(1987)


(今日の80's #15)Club Nouveau / Lean On Me(1987)米1位、英3位
1986年「Rumors」(米8位、英13位)のヒットを放ったTimex Social Clubの立役者は実はJay Kingという男なのだが、このヒットが生まれたところで裏切られTimex Social Clubを追い出されてしまう(クレジットには名前が表記されていないらしい)。その後にJay Kingが作ったバンドがこのClub Nouveau(新しいクラブという意味)なのだが、彼らがBill Withersのこの曲(1972年、米1位。英18位)をカバーしみごとなヒットを飛ばした(この12インチシングルの裏には「FORMERLY OF A DIFFERENT CLUB, NOW A BETTER CLUB, THE NEW CLUB」という表記がある)。もともとの曲も歌詞を含めていい曲なのだが、ビートを強調しクラブ寄りにしたカバーとなっており、この曲に新しい魅力を吹き込んだといえるだろう。アルバム「Life, Love&Pain」からのシングルである。余談だが、僕の知り合いが以前この曲の元歌を探しており、ラジオで「Bill Withersの・・・」と言ったのを「Doobie Brothersの・・・」と聞き間違えたらしく、約10年ほどDoobie Brothersを聴いて、間違えてDoobie Brothersのファンになってしまってた人がいた。


2003年10月13日月曜日

Katrina & The Waves / Walking On Sunshine(1985)


(今日の80's #14)Katrina & The Waves / Walking On Sunshine(1985)米9位、英8位
今日は曇っていますが・・・。Katrina & The Wavesのこのヒットを。非常にストレートでパワフルな曲想はむしろアメリカをイメージしてしまうのですが、実はこのバンドはイギリスのバンドで、1981年ロンドンで結成されています(ボーカルのKatrina Leskanichはカンサス出身で、何だか納得)。インディーズから数枚アルバム(「Walking on Sunshine 」(1983)、「Katrina & The Waves 2 」(1984))を出した後、1985年にメジャーデビューアルバム「Katrina & The Waves」を発表しており、ここからのシングルです。(おそらくメジャーアルバムはこの二つのアルバムの曲を録音し直してまとめたものと思うのですが・・・、未確認です)。
この曲は、さんさんと太陽が降り注ぐような嫌みのないストレートなロックで、パワフルなKatrina嬢のボーカルは強引にでもみんなを元気にしてくれそうな勢いです。ロンドンは曇りがちであまりさんさんと晴れる事は少ないと思われ、この曲のビデオでも何だか曇ってて寒そうな中を半袖で元気に歩いている彼女が楽しそうで好印象でした。まわりを明るくしてくれる結構人のいいお姉ちゃんなんでしょう。この曲はむしろ肌寒い季節の晴れた日に聞くのが良いかと思います。ホント楽しくなりますよ。
さて、このアルバムからは3枚のヒットが生まれ(セカンドの「Do You Want Crying」も大好き)、その後も思い出したように時々作品が出て80'sファンを驚かせましたが、1999年にKatrina嬢は脱退しています(一説には別のKatrinaさんが入ったりしてたらしいですが未確認です)。
Katrina & The Wavesのサイト
Katrina嬢のサイト

2003年10月12日日曜日

Daúde / Neguinha Te Amo


(Brazil、新譜CD)最近タワーレコードやHMV(岡山)をぶらついても、なんだかあまり琴線に触れるものがありません。試聴コーナーにもあまり心にヒットするものがないし、猫も杓子もベストアルバムだし、しかも探しているCDは全部ないし・・・・。そもそも音楽業界自体が停滞しているんだろうな、CDの売り上げが低迷するのも無理はないな、と思う今日この頃。
さて、行きつけのCD屋「Disk Trans」 で久々に新譜を数枚CD購入しました。詳細は こちらですが、Daudeのニューアルバムが久々に新譜で興味を惹かれました。
Daudeはブラジルのアーチストですが、彼女の4年ぶりの新作らしいです。ブラジル音楽とアフリカの複雑なリズムや音階を融合させたジャズ〜アフロ・グルーヴ。クラブも対応します。ピエール・バルー、バーデン・パウエル、ヴィニシウス・ヂ・モラエスらの名曲をカヴァーしていますが、とにかくリズムの面白さ、音階の新鮮さ、ボーカルの楽しさが特筆すべきです。楽しい!カッコいい!Peter GabrielのReal Worldからのリリースです。
ブラジルのサイトReal WorldのDaudeのサイト(試聴可)

Kate Bush / Cloudbusting(1985)


(今日の80's #13)Kate Bush / Cloudbusting(1985)英20位
少し恥ずかしいのですが、実はKate Bushの大ファンなのです。1985年の彼女の5枚目のアルバム「Hounds Of Love」で彼女の非常に個性的な孤高の世界を垣間見て、ずるっと引きずり込まれました。1958年生まれのKate BushはPink FloydのDavid Gilmourに16歳の時に見いだされ、19歳でデビュー。デビュー曲の「Wuthering Heights」がいきなりイギリスで1位を獲得。その後もイギリスでは次々とヒットを飛ばしましたが、世界的に知られるようになったのはこのアルバムからでしょうか。狂気を感じる4枚目「The Dreaming」も大好きなのですが、このアルバム「Hounds Of Love」は個性的ながらもポップで親しみやすく、彼女の母性や優しさが感じられて良いです。このアルバムから小悪魔から聖母にイメージが変わりました(?)。彼女の代表作と言えるでしょう。海賊版やら限定版やらが多くて、結構マニア泣かせなんですよね。
そのアルバムからの2枚目のシングル。何だか雲をなんとかする大きな機械が出てくるビデオといい、彼女の世界爆発のこの曲を今回紹介しておきます。3枚目のシングル「Hounds Of Love」、4枚目のシングル「The Big Sky」もポップでいい曲ですよ。

2003年10月11日土曜日

The Waitresses / I Know What Boys Like(1982)


(今日の80's #12)The Waitresses / I Know What Boys Like(1982)米62位
今日のこの曲、知っている人はおられるだろうか?本国アメリカでもこの曲しかヒット曲がない(しかも62位どまり)。オハイオ出身の6人組ポップロックバンドThe Waitressesのデビューアルバム「Wasn't Tomorrow Wonderful?」からのシングルである。本国アメリカでは地味ながらも根強いファンがいるらしい。
さて音の方だが、これがまた恥ずかしいほど80年代初期の音。がしゃがしゃかき鳴らしたギターの音、間奏でのぶち壊れたようなサックスのソロ、そして人を小ばかにしたようなボーカル、歌詞も「男の子たちの好きなもの知ってるわ〜、にゃにゃにゃにゃ〜にゃ〜」だし。まだ見ぬ80年代が目の前に広がる、サイケでニューウエーブな、素敵に80's丸だしの曲である。80年代好きは是非聴いて欲しい。
因にTelevisionのBilly Ficcaがドラムで参加、またサックスのMars WilliamsはThe Psychedelic Fursにも参加しているらしい。ボーカルのPatty Donahueは1996年に肺癌で他界している。にゃにゃにゃにゃ〜にゃ〜・・・
The Waitressesのファンサイト

2003年10月10日金曜日

Napsterの復活

旧Napsterはとてつもなく魅力的なソフトウエアだった。それが発表されたのは1999年1月であったが、僕が実際使ったのは、2001年3月からの1ヶ月間だった。説明は必要ないと思うが、旧NapsterはMP3ファイル交換システムで、世界中のNapsterユーザーのフォルダから目的のMP3を検索し、そこからサーバーを介して自分のPCにダウンロードが出来る。つまり聴きたい曲が常時世界中150万人(最大では6000万人が参加していたという)の28億以上ものファイルの中から探し出して、聞ける。そして自分の好きな曲を持っているユーザーにメッセージを送って、コミュニケーションをとることもできる、メッセンジャーの機能ももっていたのだ。 検索機能は非常に精度がよく、曲名かアーティスト名、あるいはその断片を入力すると(綴りが間違っていても)そのMP3ファイルを検索できた(当然、日本の曲も検索できた)。
僕はこれを使い始めたときの興奮を覚えている。例えば何年も(何十年も)聴きたくて、探して探してそれでも見つからなかった曲が、即座に探せて数分のうちに自分のものになる・・・。どんなマイナーな曲でも、世界では誰かが持ってるし、大好きなアーチストの聴いたことない曲もあるわあるわ・・・。遠い昔、FMラジオでかかった好きな曲をエアチェックするときの興奮に似ている。レコードを買うお金もなく、しかも地方の店にはレコード自体もなかなか多くは置いておらず、手に入らなかった。ラジオだけが頼りの曲も多かったのだ。その頃に聴きそびれた曲が、今、自分のものになる。その時の興奮といったら・・・。まったく、もう。こんちきしょう。
Napsterが複数の大手レコード会社との著作権侵害訴訟に破れ、2002年6月に破綻。同11月にRoxio社に買収された(簡単に書いたが、それまでの経過は長い。他の身売り先に、Napsterにはもはや使い道はないと言って捨てられたり・・・など)。そしてこの度有料の音楽配信サイトとして再出発となる。これは9月29日に米国内でサービスが開始され、大手のレコード会社5社と少数のインディーズ・レーベルが所有する約50万曲の音楽から1曲99セントでダウンロードできる。または毎月9.95ドル払えば、無制限のダウンロードができるという。しかし以前のNapsterの面影は、ほとんどない。
さてそれは魅力的か?50万曲という数はどうなのか?他の音楽配信サイトよりは確かに多いだろう。しかし大手のレコード会社5社が配信を許可した曲ならばそのまま正規にCDで手に入るだろうし、わざわざお金払って音質の劣る(しかも使用に制限のある)ファイルをダウンロードするだろうか?CDにすら復刻されない往年の名盤や、シングルレコードのB面にしか収録されなかった曲などは配信してくれるのだろうか?そもそも、現在米国内のみでのサービスであり、ウインドウズのみしか対応しておらず、WMAフォーマットの為iPodでも使用できない。僕は現在のところあまり興味を引かれないというのが本当のところである。
→ Napster(アニメーションは面白いので見てね)

Rad Fan


この間、書店に医学書を買いに行ったのですが、医学雑誌のなかに「Rad Fan」という雑誌があるのを見つけました。放射線医学専門誌なんですが・・・。えー、Mac好きな方ならすぐにピンとくると思うのですが、タイトルは「Mac Fan」、表紙は「Mac People」というMac専門誌にそっくりですねー。医療関係者にMacを使う人が多いというのも今は昔の話で、最近ではかなりWindowsを普段使う人が増えています。まあ、一般の方よりはまだMacの割合は多いのかもしれませんけどね。理由としては(実際は必ずしもそうではないのですが)Windowsの方が安いとか、他のユーザーとの互換性の問題、学会発表時の機材などにMacに非対応のものがあるとか、医学関係の画像処理ソフトや統計処理ソフトもWindowsのみ対応でMac未対応であったり、あるいはWindows優先の開発が行われていたり。また、病院の医療支援システムがWindowsであったり。などなど、Macのユーザーは徐々に肩身が狭くなりつつあります。放射線科は中でもコンピューターを使う機会の多い部署で、病院のシステムがWindowsになってからはWindowsを使っている人も多いのですが、やはり根強いMacのファンもいるのだと思います。そういう意味で、この雑誌を見つけたとき、なんだかほほ笑ましい気分になりました。専門が違うので定期購読はしませんけど。
当然、中身は至極まじめな医学専門誌でしたよ。
→ Rad Fanのサイト
→ Mac People Web
→ Mac Fan Net

2003年10月9日木曜日

Inxs / What You Need(1985)


(今日の80's #11)Inxs / What You Need(1985)米5位、英51位
Inxsが世界的に大ブレイクしたのは、5枚目のアルバム「Listen Like Thieves」からのシングルであるこの曲からだった。オーストラリアで結成されたのは1977年なので、すでに8年のキャリアがある。その間、そしてその後も1997年ボーカルのMichael Hutchenceが夭折するまでメンバーチェンジはなかったと記憶している。
この「What You Need」は骨太でキレのいいロックで、ギターのリフ、吹き荒れるサックス、そしてMichael Hutchenceのシャウトといい、ほんとダイナミズムにあふれていてかっこいい。大音量で聴きたい。この「What You Need」、「Listen Like Thieves」から「Need You Tonight」に至るまでの間がこのバンドに一番興奮させられた時だったように思う。次の6枚目のアルバム「Kick」は何枚もの大ヒットシングルを出しモンスターアルバムとなるが、その前作に当たるこのアルバムも何かが起こりそうな予感に満ちていた。
1997年Michael Hutchenceはシドニーのホテルで突然亡くなるのだが・・・。実に色気のあるカッコいい男だった。
Inxsのオフィシャルサイト

2003年10月8日水曜日

Panther is coming!(Mac OS X v10.3発売!)

やっと アップルから正式にアナウンスがありましたね。2003年10月25日(土)Mac OS X v10.3(Panther)世界同時発売だそうです。ファインダーの使い勝手の改善をはじめ、いろいろな新機能を盛り込んだ久々のメジャー・アップデート。さらに10月31日(金)までに出荷のお客様にはMac OS X v10.3発売記念ノベルティをプレゼント!・・・ノベルティって何だ!?

僕は・・・どうするかな?きっと発売日には落ち着かなくなって買いに走るんだろうな・・・。

→ アップル(日本)
→ Apple(米国)。アナログなカウントダウン装備!

Eurythmics / Here Comes The Rain Again(1983)


(今日の80's #10)Eurythmics / Here Comes The Rain Again(1983)米4位、英8位
Eurythmicsの3枚目のアルバム「Touch」からのシングル。僕はこの曲でEurythmicsを知ったので、代表曲の「Sweet Dreams (Are Made Of This)」や「Love Is A Stranger」よりもこの曲のイメージが強い。Annie Lennoxが男装の麗人だったのも後で知った。
EurythmicsはThe Touristを前身として1981年結成。Annie LennoxとDavid A. Stewartのユニットで、このころはエレクトロポップがメインであった。そして、これが一番重要だが、Annie Lennoxのソウルフルな歌のうまさ。イギリスを代表するボーカリストの一人ではないかと思う。
この曲はエレクトロな音にストリングス(The British Philharmonic Orchestra)が絡まるミディアムテンポの曲で、悲哀や不安感が渦巻いて今聴いても胸がしめつけるようにぞくぞくする。
80年代を駆け抜けて(80年代に彼らは実に8枚のアルバムを発表した)、そして解散。その後1999年に再結成するが、今はソロで活躍し、Annie Lennoxは今年新譜を発表。充実した活動をしているようである。

Eurythmicsのファンサイト
Annie Lennoxのオフィシャル・サイト

Danny Wilson / Mary's Prayer(1987)


(今日の80's #9)Danny Wilson / Mary's Prayer(1987)米23位、英42、3位
スコットランドの3人組Danny Wilsonのデビューアルバムの「Meet Danny Wilson」からのシングル。バンド名は1952年のFrank Sinatraの映画からつけられているらしいです。中心人物のGary Clarkはかなりレベルの高いメロディメーカーで、彼の凛として哀愁をもった美しいメロディーは今でも泣けます。この曲はピアノの響きも美しい、いつまでも残るべき名曲です。このアルバムの他の曲も佳曲が多く、洗練された大人のポップスといった感じでした。これまた名盤のセカンドアルバム「Bebop Moptop 」を発表後、バンドは解散してしまうのですが、Gary Clarkはソロで活動を続けているようです。最近見かけませんが・・・。


2003年10月7日火曜日

禁断の酒、アブサン(Absinthe)


アブサン(Absinthe)という酒をご存知だろうか?
アブサンは18世紀にフランスの医師ピエール=オルディネールが医薬品としてスイスで発表。 それを1797年にペルノ社が発売し、フランスやヨーロッパで大流行。19世紀末には多くの芸術家たち(ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、ドガ、モネ、ロートレック、ランボー、 モーパッサン、ボードレール、ヴェルレーヌ、ヘミングウェイなど)が創作意欲を沸き立てるために愛飲したといわれる。アブサンの原料であるニガヨモギの主成分(Thujone)が向精神作用をもち、また依存性があり(アブサンティズムといわれた)、ゴッホが自画像で耳を切ったのもこの酒のためであると言われる。この為、1905年にベルギー、1915年にフランスで禁制となったのをはじめ、ヨーロッパのほとんどの国で禁止措置がとられた。 その後長い間(密造以外は)製造されていなかったが、1981年にWHOでThujoneの規制値が見直され、また技術の革新によりThujoneの量をコントロール出来るようになったため、近年アブサンが復活した。ただし、Thujone濃度は当時のものより低く、現在では10ppm(35ppmまでとなったとの話もあるが)までとなっており、その値のものは輸出されており日本でも簡単に手に入るようになった。
さて、現在日本では約11種類のアブサンが手に入るらしいが、今回はPernodのアブサンを飲んでみた。何といっても初めに発売したという実績があるし。んー・・・飲んだ感じ舌がびりびりするというか、ノドが焼けるというか。でも、うん、薬草系の苦味とさわやかな風味があって、なんだか甘ささえ感じる。さすがにアルコール68度もあるのでがんがん飲んだりはできませんが、結構いける。水を足すと白く濁ってエメラルドグリーンになるらしいが、あんまり濁らなかった。飲み方としてはいろいろなカクテルのベースとするレシピもあるが、今回はロックでいただてみた。 穴の開いたスプーンに角砂糖を乗せて氷水をたらすと、溶けた砂糖で甘味がつき、水でエメラルドグリーンになる。これも定番の飲み方だそうだ。・・・おう、結構まわってきた。むー、制作意欲が!(気のせい)。
ただしなにぶん規制内のアブサンしか飲んでないので・・・。どうも密造ではあるがThujone濃度の高い本物のアブサンも存在するらしい。一度は飲んでみたいですね。岡山の某バーで本物のアブサンが飲めるところもあるらしいという話もありました・・・。情報をお待ちしております。
ちなみに僕は1993年発表のJohn Zorn率いるNaked Cityのアルバム「Absinthe」(写真下)でこの酒の名前を知りました。アブサンに捧げられたこの一枚、アブサンのBGMとしてどうぞ・・・。幻想的でコワイ音満載です。


今回参考は こちら
アブサンのお求めは、 ここ、 ここ、 ここ、 ここ、 ここなどで。。。

2003年10月4日土曜日

Scritti Politti / Perfect Way(1985)


(今日の80's #8)Scritti Politti / Perfect Way(1985)米11位、英48位
セカンドアルバム「Cupid & Psyche 85」に先行して発表された「Wood Beez (Pray Like Aretha Franklin) 」「Absolute 」「Hypnotize」の3枚のシングルと、アルバムからのカット「The Word Girl」をイギリスで立て続けにヒットさせ、5枚目のカットがこの曲であった。アメリカでは(おそらく)1枚目のヒットシングル。
Scritti PolittiはGreen Gartsideと名乗る、なんだかキレイな顔のフロントマン率いるグループで、ソウルミュージックをリスペクトしたソフィスティケイトされたエレクトロ・ファンクを聞かせる。非常に複雑なベイスラインとシャープなリズムパターンにポップなメロディライン、そこにGreenの女声のようなか細い声が絡まって・・・。この組み合わせがかっこいいんですよね、このグループは(この声が受け付けない人もいるかもしれませんけどね)。
このアルバム「Cupid & Psyche 85」も非常に精密にできた、知的でダンサブルな名作アルバムで、当然今でもいけます。ちなみに当時のアナログ盤には等身大のGreenのポスターが封入されていたんだけど・・・、うーむ。

Midge Ure / If I Was(1985)


(今日の80's #7)Midge Ure / If I Was(1985)英1位
元Ultravox(といってもわかるかなあ・・・)のボーカル、ギタリストとして、そして有名なチャリティ、Band Aidの中心人物の一人としても活躍した(彼は作曲とプロデュースを手がけている)Midge Ureのファーストアルバム「The Gift」からの第一段シングル。もし僕が詩人だったら、この愛を燃え上がる言葉にして伝えるのに。もしも僕が船乗りだったら、彼女の元へ7つの海を越えるのに・・・。といった、「もしも」調のすがすがしくさわやかなラブソング。Level42のMarc Kingもベースで参加。じつは結構いい曲なんですよ。
そういえば日本でもそういう歌があったなあ、ピアノがなんとかっていう・・・。
Midge UreのOfficial Siteはこちら。

2003年10月3日金曜日

Howard Jones / New Song(1983)


(今日の80's #6)Howard Jones / New Song(1983)英3位、米27位
1983年の彼のデビューシングル。1984年のデビューアルバム「Human's Lib」に先行して発表された。僕(当時13歳)が洋楽を聴き始めてはじめてファンになったアーティストである。その誠実そうな人柄、親しみやすいポップな曲調はすぐに誰にでも受け入れられ、シンセサイザーを多用した音も新鮮で(今聴くとさすがに安っぽく聞こえるが)、ほとんどが機械の音なのに、暖かく人間味あふれて聞こえた。ライブもほぼ彼と友人のパントマイムアーティスト、ジェド君でこなし、奥さんも常に同行していた。一方で直訳すれば「人間解放」と名付けられたこのアルバムには実に硬派な曲が多く、(今聴くと)薄くて素朴なシンセの音であるが、この中にシンガーソングライターでありサウンドクリエイターである彼の全てが詰まっていたように思う。非常に良くできたアルバムである。
ただ2枚目以降のアルバムでは(アメリカ進出を狙ったレコード会社の方針か?)ブラスや、女性バックコーラスなど音も曲も分厚く派手になり、何だかなじみにくくなってしまったというのがホントのところだ。
現在の彼はヒットにも恵まれず、なんだか忘れられた存在になってしまったが、地道に作品を発表し続けている。久々に現在の彼の音を聞いてみようかな。
Howard JonesのOfficial Site

Rickie Lee Jonesのニューアルバム

Rickie Lee Jonesのサイトからメールが届いた。ライブの案内だ。
「Rickie at the Temple Bar」
10月4日午後8時からサンタモニカのTemple Barでライブが行われるそうです。10$。
・・・遠いって。
Rickie Lee Jonesは昔からとても好きなアーチストで、一度はライブに行ってみたいのだけど・・・。日本でもライブやらないかなあ。
ところで、 10月7日にニューアルバム「THE EVENING OF MY BEST DAY 」が発売されますね。楽しみです。ちょっとタイトルが気になりますが・・・。

2003年10月2日木曜日

「キムチシェーキ」と「プルコギバーガー」

この度ロッテリアでシェーキ選挙第12位「作って!」という声にお応えして・・・キムチシェーキが10月6日から(ちょっと消極的に)10店舗で限定発売されるそうです。誰が考案したのかわかりませんが、他の順当なお菓子系シェーキを抑えて12位からいきなり緊急発売というのもなかなか勇気いっぱいです。(とても)残念ながらうちの近所ではトライ出来ませんので、誰か食べられた方は感想を頂けましたら幸いです。
ところで思い出したのが、韓国へ旅したときの韓国のロッテリアで食べたプルコギバーガー。へー。お国柄だなーと思って買って、列車の中で食べたのですが、まーにおうにおう。ちょっと恥ずかしかったです。うまかったけどね。現地の人は意外と平気なのかもしれませんけどね。日本でいう照焼きバーガーや焼き肉バーガーみたいな位置づけでしょうか?
もう何年も前の事だったのですが、ふと韓国のロッテリアのホームページを覗いてみたらいまだに健在のようで嬉しいです。次に韓国に行ったらまた食べたいものです。ちなみにハングル苦手な人のために、このページ
左の行上から2番目のUPGRADEされているのがプルコギバーガーです。その右はプルカルビバーガーというらしいです。さらにその下のご飯に何か挟まっているのがキムチバーガー。やっぱりあります。残念ながらキムチシェーキは見つけられませんでした・・・。
この韓国ロッテリアのホームページも結構凝ってて、いい感じですよね。

Peter Gabriel / In Your Eyes(1986)


(今日の80's #5)Peter Gabriel / In Your Eyes(1986)米26位
元Genesisの(といったところで、両者とも脱退後の活躍の方が今となっては知らせているのだが)Peter Gabrielの5枚目のアルバム「So」(1986)。初めてタイトルが付けられたアルバムであり(それまでは全部「Peter Gabriel」だった)、初めて本人の気持ち悪くない写真がジャケットに使われたアルバムである。そしてなにより批評家好みのカルトなカリズマ・アーチストから初めて世界中に受け入れられたアルバムである。このアルバムの完成度の高さは随一であり、民族音楽から60年代ソウル風、静謐で深い曲と、懐は広くどこまでも洗練されている。広がりを持った深い音響はプロデューサーDaniel Lanoisの仕事であろう。
このアルバムから「Sledgehammer」、「Big Time」(ともにユーモアを持ったビデオクリップが強烈)の大ヒットが生まれたが、この2曲に挟まれる形でカットされた第2段シングル「In Your Eyes」が中でも好きである。この曲はアフリカのリズムと音階をモチーフに使われたと思われるが、聴きようによってはラブソング、聴きようによっては神への賛歌のようにとれる佳曲である。広々とした圧倒的な大地が目前に広がり、後半部分での天から降り注ぐようなYoussou N'dour の声が神秘的ですらある。いつまでも大切にしていたい曲である。

Kajagoogoo / Turn Your Back On Me(1984)


(今日の80's #4)Kajagoogoo / Turn Your Back On Me(1984)英47位
KajagoogooはLimahl在籍時の影響かアイドルバンドとして認知される事が多い。しかし、そもそも大ヒットの「Too Shy」にしてもフュージョンの影響を感じさせるように、かなりの実力派だということは知ってても良い話である。
1984年突然のLimahl脱退(というより、音楽的な方向性の違いでLimahlが外されたのは、その後の両者の音楽を聴けば明らかである)後に発表されたセカンドアルバム「Islands」は意外な名盤で、Nick Beggsのチョッパー・ベースを始めファンキーでかなりかっこいい。「Big Apple」にしてもほぼフュージョンといえるバックにNick Beggsの(少し声量は狭いが)絞り出すような声が新鮮だった。
さて、この曲「Turn Your Back On Me」はそのアルバム「Islands」からの「Lion's Mouth」「Big Apple」に続く3枚目のシングルで、Nick Beggsのベースがブンブンとグロテスクでかなりカッコいい。この曲のビデオも顔が豚になったり虫が出てきたり、グロテスクで印象が強い。願わくばもう一度見たいものだ。彼らはまた敬虔なクリスチャンで曲の歌詞もそれに準じたものが多いように思われる。残念ながらバンドはその後1985年に解散するのであるが、Nick Beggsは今でも活躍中とのことである。
もしかしてアルバム「Islands」は廃盤(CD化されていないらしい)?せめてベスト盤をチェックしてみて下さい。

2003年10月1日水曜日

カンパリ(Campari)


いつのころからかカンパリが好きでよく飲んでいます。赤くて甘くて苦いお酒です。
カンパリは1860年、イタリアのミラノでガスパーレ・カンパリによって創られ、2代目のダヴィデ・カンパリの時代に「カンパリ」という名前になったそうです。ビターオレンジの果皮、キャラウェイ、コリアンダー、シナモン、カルダモン、ナツメグなど30種類以上のハーブ・スパイスをアルコールに浸出させて作ったビター系のリキュールですが、今でもカンパリの原材料は極秘で、精製方法は門外不出だそうな・・・。そういわれたらミカンの皮のような味がします。僕も初めて飲んだときには、そのくせのあるにおいと苦くて甘い味が、苦手だ!と思ったもんでしたが、飲んでいるうちその奇妙な苦みと甘みが絶妙で・・・病みつきになっちゃうのね。くせのあるものほど、くせになるんだな。ホント。きっとこの味、苦手な人は多いと思いますけどね。実は成分が胃に優しく、二日酔いにもいいとか(ホントかな?)。
飲み方としては、オレンジジュースで割って「カンパリオレンジ」、ソーダで割って「カンパリソーダ」、45mlづつのカンパリとグレープフルーツジュースにトニックウオーターを少量加えて「スプモーニ」などカクテルベースとしてよく使われますが、僕はもっぱらロックで飲んでます。
実はもう一つ楽しみなお酒を買っているのですが、それはまた週末にでも飲みましょう・・・。

Mac OS X 10.2.8

去る9月23日にMacOSXのアップデータが発表され、アップデートしたのですが、翌日には配布中止されたまま今に至っています。情報によるとMacOS 10.2.8にアップデートすると一部のPower Mac G4でEthernetネットワーク接続ができなくなるとのことですが、 アップデートして接続できなくなっちゃった人はちゃんとこの情報を見られたのでしょうかね?
僕は今のところつながっているようなので問題なく使っておりますが・・・。
もしかして、このまま幻のバージョンになるのかしら?

Suzanne Vega / Gypsy(1986)


(今日の80's #3)Suzanne Vega / Gypsy(1986)
この曲がアルバム「Solitude Standing」(1987)のファーストシングルだったということは、どのくらい知られているのだろう?
85年デビュー、86年にMarlene Dietrichのことを歌った「Marlene On The Wall」、Joe Jacksonのピアノをフィーチャーした「Left Of Centre」(映画「Pretty In Pink」の挿入歌)でまずイギリスで注目され、まずまずのヒットとなった。その後のセカンドアルバム「Solitude Standing」からの2枚目のシングル、児童虐待の歌「Luka」が米英でブレイクし、アコースティックな女性シンガーソングライターのブームの先駆けとなったのはご存知の通りである。その後なぜかあまり大きなヒットはない(DNAの「Tom's Diner」以外)が、順調に作品を発表しているのはうれしいことだ。とはいえ最近ベスト盤が多いのが気になるが・・・。求む新作。
さて、この「Gypsy」という曲。その「Solitude Standing」からの先行シングルだったはずなのに、イギリスでもアメリカでも全くヒットせず(チャートにも入らず)隠れた名曲となってしまった、Suzanne Vegaのハスキーな声が清楚で素敵な、風を感じる一曲。
アルバム「Solitude Standing」も情景描写のするどい清楚で知的なアルバムで、以前のブームとしてではなく、女性シンガーソングライターの名作の一つとして再発見、再評価したい一枚と思います。

Robert Palmer / I Didn't Mean To Turn You On(1986)


(今日の80's #2)Robert Palmer / I Didn't Mean To Turn You On(1986)米2位、英9位
9月26日早朝、Robert Palmerが亡くなった。1949年1月19日生まれだから、享年54歳。早過ぎる死であった。心臓突然死とのことであるが、詳細は不明である。
70年代始め頃から活動を始め、83年のバラエティに富んだ名作アルバム「Pride」、Duran DuranのAndy Taylor、John Taylorらと組んだPower Stationでの成功を経て、間髪をおかずに発表された85年のアルバム「Riptide」。彼にしてはヘビーなロックアルバムで、このアルバムからの2枚目のシングル「Addicted To Love」の大ヒット(米1位、英5位)は、長身で無表情なモデルに自分のバックバンド役をやらせたビデオとともに彼の名前が知られるきっかけとなった。このとき彼は36歳。やりたい放題にいろいろな種類の歌を歌ってた。かっこよかった。
この曲「I Didn't Mean To Turn You On」は同じアルバムから4枚目のシングルカットで、Cherrelle(84年・米79位)のカバー。タイトなリズムとシャープなギター、そして彼特有のうにゃうにゃとしたダンディなボーカルがかっこいい。この声で「君を誘惑するつもりじゃなかったんだ」なんて歌われると・・・。むー、男の敵ですな〜。因にこの12インチシングルには、CDよりも1分ほど長いOriginal Long Versionが収められていますが、よく聴かないとどこが長いのかわからない通好みな仕様になっています。
その後もブルー・アイド・ソウルの名手としてブルースからカリプソまで歌い、つい先日新作「Drive」を発表した矢先であった。Warren Zevonの「The Wind」は意図された遺作(それも珍しいが)だったが、この「Drive」は予期せずして遺作となってしまった。キザでにやけた色男、そして類いまれなる才能のボーカリストが、また伝説になってしまった。まだまだ活躍して欲しいアーチストだっただけに、とても残念である。彼の再評価を望む。ご冥福をお祈りいたします。