2001年6月21日木曜日

Pump Up The Volume / M/A/R/R/S

 Napster・・・とてつもなく魅力的なソフトウエアだった。その存在自体はかなり前から知っていたのだが、実際ふと思い出してダウンロードしたのは今年の3月に入ってから。職場のイーサネットで常時高速接続だったという好条件もあり、使い始めたのだが・・・。Napsterは自分の聴きたい曲、アーティスト名、あるいはそのかけらを入力すると(しかも綴りを間違っていても)そのMP3ファイルを検索してダウンロードができる(ついでにいうと日本人のユーザーも多かったから、日本の新曲も検索できる、当然)。つまりはMP3ファイル交換システムで、検索をかけると自分の聴きたい曲のMP3を持っている人のPCに接続して、そこからサーバーを介して自分のPCにダウンロードが出来るのだ。聴きたかった曲がいつでも世界中150万人の28億ものファイルから探してきてMP3で聞ける!そういう夢のようなソフトだ。しかも自分の好きなアーティストの曲を持っているユーザーにメッセージを送って、コミュニケーションをとることもできる。つまり、チャットやメッセンジャーの機能ももっているのだ。
 僕はこれを使い始めたとき相当興奮したのを覚えている。いままで何年も聴きたくて探して探して、それでもなかった曲があっという間に探せて、数分のうちに自分のものになる・・・。頭に浮かぶ曲名を片っ端から入力して検索しまくった。そしてダウンロードした。どんなマイナーな曲も、世界は広いのね。誰かが持ってる。しかも、聴いたことないバージョンが山ほどでてくる・・・。遠い昔、FMラジオを聴きながら、好きな曲がかかってエアチェックするときの喜びというか興奮に似ている。ちゃんと録音しようとして指ふるえてたもんね。ほんと。レコードなんか買うお金もなく、しかもちょっと珍しいものになるとレコード自体もなかなか店に置いておらず、手に入らなかった。ラジオが頼りの曲も多かったのだ。特に地方に住んでいた僕は。その頃に聴きそびれた曲を中心に片っ端からハードディスクに落とした。あっという間にハードディスクに数百曲、3Gほどをしめちゃった。えへ。
 ご存じのとおり、Napsterはアーティスト側から訴えられ、敗訴し、4月からは検索に著作権のフィルターがかけられることになった。フィルターがかかるようになると、検索出来るアーティスト、曲が激減して・・・そして次第にユーザーも減って。結局僕が使ったのはたった1ヶ月間。されど、その1ヶ月間楽しかったね。Napsterは有料サービスになるらしい。似たような共有システムのGnutellaなんてのもあるが、もういいや、しばらく。
 当然音楽には著作権があって、それを侵害するものであるという可能性は容易に理解できるのだが、芸術、カルチャーの共有というものはどこまでが自由なんだろう。友達が買ったレコードをテープにダビングさせてもらった日が懐かしく思い出されるね(その時だけの友達なんてことも・・・)。この辺のコラムも読んでみて。よかったら。Napster用語解説はここ
 M/A/R/R/S・・・くだらないなんて、いわないでえ。これだけ歴史に残っていない大ヒット曲も珍しいよね。4AD所属のColourbox(Martin Young、Steve Young)とAR Kane(Alex、Rudi、Russell)の一曲限りのユニット。名前のイニシャルをとってM/A/R/R/S。1987年の大ヒット。クールな(ある意味間抜けな)いつまでも繰り返されるベースラインとスクラッチ、サンプリングが特徴的なクラブのクラッシック?このベースラインがかっこいいのかよくないのか、とにかく頭に回るのよ。ぐるぐる。当時イギリスでこの曲が何週間も1位を記録し、何種類ものリミックスができ、似たようなゾロ品もいくつ出たことか・・・。M/A/R/R/S→マーズ(火星)→宇宙→NASAで連想されたと思われるビデオクリップも良かったです。当時嫌いでしたが、今聴くと意外とかっこいいかもー。

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