2001年5月29日火曜日

見上げてごらん、夜の星を / Ground-Zero


 放射線を使う検査とか治療(特に心臓カテーテル)とかに従事することが多い僕なんかは、どうも放射線をたくさん浴びた日は言い表せないくらいしんどいようだ。それが、放射線のせいなのか、心臓の検査、治療という事で緊張感を強いられるからなのか、あるいは鉛の重い防御服をはおっているからなのか、はたまたそれらの合わせ技なのか・・・息をするのさえ、だるい。こういった放射線作業に従事していると、白血球が減少してみたり、甲状腺機能に影響したり、角膜に影響したりと、将来いろんな悪影響が予想されるのだが・・・仕事なので仕方がない。「心臓カテーテルをする医者には女の子が産まれる可能性が高い」というまことしやかな噂を、それこそどこの病院にいっても聞く。精子に何らかの影響があるからなのか?その(真?)偽は調べればすぐ判明するはずであろうが、話として面白いので追求しないままにしている。
 曲は大友良英(ターンテーブル、ギター、・・・)ひきいるGround-Zeroの
"Plays Standards"(1997年)から。アルタードステイツの内橋和久、芳垣安洋、ナスノミツル、サンプラー(サインウエーブとか・・・)の松原幸子、菊池成孔(サックス)、等々それぞれ手練れのすごいメンバーからなるバンドだったが、バンド自体は1998年解散。作品により様々な様相を呈する「音楽」を提示してきたが、このアルバムは比較的ひとつひとつが曲になってて・・・といったら失礼だが。いわゆるスタンダードというより、大友良英個人の人生におけるスタンダード。ビクトル・ハラから篠田昌巳、阿部薫、フレッド・フリス、ディレク・ベイリー、スティーブ・ベレスフォード、ローランド・カーク、・・・そしてウルトラQのテーマソングから、この坂本九のカバーまで。ジャンルは様々。統一感がないようでいて、大友良英というフィルターを通した一貫性のあるカバー集。それぞれの曲は分解され、手練れたちの演奏で再構築され、非常におもしろい。この坂本九(永六輔-いずみたく)のカバーは大友本人の弁によれば「サビのメロディーをなくして、長い長いワンコードのシーンを付けた。曲はどこにも解決せずに長い長い旅に向かう。」とのことだ。まさにそう言った感じの、通り一遍ではない秀逸なカバー。

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