以前Rebekka Bakkenとのアルバムでご紹介した(3月5日の記事)Julia Hulsmann Trioの新譜が出たのでご紹介。
前作のヒットに気を良くしたのか、今回はAnna Lauvergnacという女性ボーカリストを自身のピアノトリオに招いて録音されている。今作は「Celebrating Randy Newmanと」いうサブタイトルが示すとおり、なんとRandy Newmanへのオマージュとなっており、一曲を除いて全て彼の作品のカバーである。Julia Hulsmannは子供の頃、ピアノの弾き語りをするRandy Newmanをテレビで見て感銘を受けピアノを弾くようになったのだそうだ。とはいえRandy Newmanはご存知の通りニューオーリンズ出身のシンガーソングライターであり、彼女らとはベクトルが違うようにしか思えないのだが、そこはそれ、長い間のリスペクトを込めてジャズ的なアプローチで彼の曲を再構築している。主に70年代の曲のカバーが多いようだ。
Anna LauvergnacはVienna Art Orchestraのボーカリストだった人で、写真通りのかわいらしい声かと思って聴くと騙される。Rebekka Bakkenと比較するとしっとりねっとり粘液質な印象で、思ったより低めの声でブルージーにゆったりと歌い上げる。Julia Hulsmannのピアノは相変わらずスマートである。クールでありながら、ピアノトリオだけのパートになるとぐんぐんと飛ばして弾きまくる。前回のアルバムもそうだったが、このトリオはリズムが面白い。Julia Hulsmannがフェンダーローズをグルーヴィにぶっ飛ばしている時はHerbie HancockからMedeski, Martin & Woodの名前が頭に浮かんだくらいだ。
思った以上に引き込まれるアルバム。Randy Newmanのピアノ弾き語りでのセルフカバーアルバム「Songbook Vol. 1」と聴き比べると面白いかも。
→ACTレーベルのこのアルバムの紹介のページ(試聴可)
→ディスクユニオンの紹介のページ
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