2004年3月3日水曜日

生きる喜びーアフリカの二人:J.D.オカイ・オジェイケレとマリック・シディベ

(美術展・東京)生きる喜びーアフリカの二人:J.D.オカイ・オジェイケレとマリック・シディベ
品川の原美術展で開催されている、現代アフリカの2人の写真家の展覧会に行ってきた。
オジェイケレ氏はナイジェリアの写真家で、1968年より30年にわたってナイジェリア女性の緻密に編み込まれた髪を「Hair Style」シリーズとして撮り続けている。彼女らの精巧に編まれた髪が、まるで彫刻のようにクリアーにたんたんと記録されている様はRobert Mapplethorpeを彷彿させるが、その写真に被写体の喜びの感情がひしひしと感じられるようである。氏は「ヘアースタイルはアート」であると言い、また「アートが人生である」と語る。
シディベ氏はマリの写真家。1960、70年代のマリ共和国独立当時の首都バマコのいかした若者たちを生き生きととらえる。当時の解放感あふれるパーティやピクニックの様子を記録した写真はやはり喜びに満ちているようだ。James BrownやChubby Checkerらのレコードジャケットを手に写っている人もいて、写真から曲まで聞こえてきそうだ。川べりでのピクニックなどレコードなんか聴けそうにないところでもナゼかレコードを持っている写真が多いのは、やはり自慢だったんだろうか。僕が一番気に入ったのは上の看板にもある「クリスマスの夜」という写真。楽しそうに踊るカップルのほほ笑ましい写真からも、あふれるような喜びが伝わってくる。
ただ少し感じた違和感は、おそらくここに写っている若者たちは、恵まれた家庭に育った裕福な若者ではないのだろうかということ。今から30年も前の写真が中心であり現在のアフリカと比べることはできないが、貧困や犯罪、疾病におびやかされているアフリカは見えてこない。ともあれ、今も昔も遠くに存在するアフリカの一場面を知る事のできる貴重な記録である。またアフリカに行きたくなってしまった。

原美術館
→生きる喜びーアフリカの二人:J.D.オカイ・オジェイケレとマリック・シディベ;開催中〜2004年4月11日(日)まで。午前11時〜午後5時、月曜日は休館日。

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