2004年4月3日土曜日

John Cougar Mellencamp / Lonely Ol' Night(1985)


(今日の80's #32)John Cougar Mellencamp / Lonely Ol' Night(1985)米6位
インディアナ州のSeymourというところがどんなところなのか全く知識がないが、「Small Town」のビデオを見る限りいい感じの田舎みたいである。John Mellencampは1951年Seymour出身である(うわ、この曲が出た頃の彼は今の僕と同い年か!ひー!)。「Mellencamp」という名前が田舎臭いという事でDavid BowieのマネージャーにJohnny Cougarという名前を付けられ、1976年にデビュー。1982年にはJohn Cougar名義で「Jack & Diane」が全米1位になりやっと認められるようになる。1983年のアルバム「Uh-Huh」でやっと念願の本名が加わりJohn Cougar Mellencamp名義となる。そして1985年の名作「Scarecrow」からのファーストシングルがこの曲。アメリカの地方都市に根づいたストレートで飾り気のないロックが彼の身の上で、この曲を聴いた時もまだ見た事のないアメリカが懐かしくさえ感じた。僕の考えるアメリカンロック。乾いたギターとざらりとした感触がカッコいい。街を歩きながらiPodで聴いていると、つい「ハッ!」とか合いの手を入れてしまう自分がはずかしい。
このアルバムはキーボードやホーンをくわえたサウンドとなっているが、本質的なスピリットは同じ。農政の問題点や社会的なメッセージにも切り込んだ反骨精神あふれる内容になっている。アメリカン・ロックとはこうあるべきだ。アルバムにはRickie Lee Jonesも参加している。
現在は(いい意味で)いいおやじになってて、味のある作品を発表している。特に2001年のIndia Arieと歌った「Peaceful World」はホントいい曲だ。
しかし、彼はしょっちゅう名前が変わる。Johnny Cougar→John Cougar→John Cougar Mellencamp→John Mellencamp。徐々に地方都市出身のアイデンティティが出てきてて好ましいのだが。でも申し訳ないが僕の中ではやっぱりJohn Cougar Mellencampなんだなあ。
John Mellencampオフィシャルサイト

Depeche Mode / Blasphemous Rumours(1984)


(今日の80's #31)Depeche Mode / Blasphemous Rumours(1984)英16位
1980年結成なので、すでに20年以上のベテランの域に入る。Depeche Modeは間違いなく現存しているイギリスを代表する重要なバンドのひとつである。1980年Vince Clarke、Andrew Fletcher、Martin L. Goreに David Gahanが加入しDepeche Modeがデビュー。直後の1981年、結成当初の曲のほとんどを書いていた中心人物Vince Clarkeが脱退し(後にYaz→The Assembly→Erasure)バンドの存続が危ぶまれたが、Martin L. Goreが隠されていた作曲能力を発揮し、その結果以前よりさらに深みと広がりそして重みを持った作品群を発表するに至る。Martin L. Goreのソングライティング・センスはもうすこし評価されてしかるべきと思う。1982年にAlan Wilderが加入しバンドとしての音が確立していくが、1984年の「Some Great Reward」はDepeche Modeとしては4枚目のアルバムで、初期の彼らの代表作だ。このアルバムから「People Are People」(米13位、英4位)、「Master and Servant」(米87位、英9位)がヒットし世界的に認知されるようになるが、個人的には「冒涜的な噂」と名付けられたこの曲の重要性を主張したい。
「16歳の少女が人生に嫌気がさし手首を切ったが、なんとか一命はとりとめた。主が情けをかけてくれたらしい。母親は涙をこらえ少女のメモを読み返し、ひざまずいて祈った。少女は18歳になり全てのものを愛せるようになった。イエス・キリストに第二の人生を見いだしたが、自動車事故にあい生命維持装置に繋がれたまま死んでしまった。彼女が逝った夏の日も空には小鳥が鳴いていた。そしてまた母親の目から涙がこぼれる。冒涜的な噂を流すつもりはないが、神のユーモアのセンスは悪すぎる。僕が死んだらきっと彼はあざ笑うんだろう・・・。(Blasphemous Rumours)」
どうしようもない皮肉な運命の悪戯、納得のいかない人生の転機。思えばニュースを見渡しても同様の事は普段の生活にも毎日のように起っていることであり、自分にもいつ降りかかってくるかはわからない。David Gahanはぽつりぽつりと低い声で歌い、灰皿のようなものが転がる音や鼻をすするような音が効果的に使われる。この曲をはじめに聞いた時の衝撃は忘れられない。この曲の両A面のカップリングは「Somebody」(アルバムとはバージョン違い)で、心臓の鼓動の音から始まる慈しむようなMartin L. Goreの歌うバラード。この曲があるから救われるし、さらに泣ける。
この後もバンドはどんどん成長を続けるが、1995年にAlan Wilderは脱退(→Recoil)。またDavid Gahanが自殺未遂を起こすが、1997年に復活。その後は現在は3人組として順調な活動をしているのは周知の通りである。旧来の美少年たちはいい意味で色気のある大人に成長したし、David Gahanの声にも艶と深みが増したなあ。今後の活動も楽しみである。
オフィシャルサイト

2004年3月31日水曜日

Yes / Leave It(1984)


(今日の80's #30)Yes / Leave It(1984)米24位、英56位
特にYesのファンというわけでもないので、70年代のプログレまるだしのYesはほとんどなじみがなく、僕がリアルタイムで知っているのは大ヒットした1983年の11枚目のアルバム「90125」以後。Trevor Hornがプロデュースしたこのアルバムは従来のYesからがらりと変わったテクノロジーを駆使したポップな出来で、結果的に大ヒットしたものの旧来からのファンは複雑な心境だったらしい。しつこいようだが僕はここからしか知らないのでYesのイメージはこのアルバムである。このアルバムからは第一段シングルの「Owner of a Lonely Heart」が全米1位を記録したが、この「Leave It」はそれに続くシングルカット。これ以前もこれ以後も聴いた事のない奇妙な曲である。Yesの面々の抜群のコーラスワークにThe Art Of Noiseばりの(まあ、Trevor Hornだから・・・)オーケストラヒットや爆弾のようなドラムのサンプリングが重なる。一体Yesのファンはこの曲をどう判断したのだろうか?僕は特にファンではないのでこの曲は許すっていうかもう大好き。Trevor Hornらしくシングルは微妙に違うRemixで、オフィシャルだけでも他にHello, Goodbye MixやらA Capellaなどがある。ちなみに当時NHK-FMではこの曲はA Capellaバージョンしかかからなかった(ナゼだか知っているひとは是非ご教授お願い致します)。余談だがA Capellaバージョンの2分49秒ごろに誰かが咳払いしているのが聞こえる。
ジャケットやアルバムタイトルがなんだか手抜きなかわりにYesはビデオを非常に凝っており、「Owner of a Lonely Heart」での映画的な世界に続いて、この「Leave It」ではGodley & Cremeを起用。逆さまにぶら下がったぺらぺらのYesの面々があっちいったりこっちいったり、顔がくるくる回ったり・・・。最後は折り畳んで消えてしまう。もう大好き。
オフィシャルサイト

2004年3月30日火曜日

The Other Ones / Holiday(1987)


(今日の80's #29)The Other Ones / Holiday(1987)米29位
オーストラリア出身のKlimek3兄弟を中心としたドイツのバンド(意味がわからないが他のメンバーはドイツ人らしいし、そういうことらしい)The Other Onesのスマッシュヒット。アルバム「The Other Ones」からのセカンドシングルで、男女ツインボーカル(AlfとJayney Klimek)の能天気なパーティチューン。打ち上げ花火みたいで単純に楽しい。この12インチは中古レコード屋で100円で発見したものだが、こういう単発のヒット曲が80年代の洋楽の醍醐味なのかもしれないなあ。
彼らは1988年にセカンドアルバム「Learning To Walk」を発表し、おそらく解散したと思われる。その後はそれぞれに活躍しているらしいのだが詳細は不明。ただ、赤毛のローラが走りまくるぶっ飛んだドイツ映画「ラン・ローラ・ラン(Run Lola Run / Lola Rennt)」(1999年)でのテクノなサウンドトラックをベースのJohnny Klimekが手がけていたということを最近知って驚いた。この映画、アニメと実写が入り交じる疾走感あふれる映像とテクノの躍動感がうまくシンクロしており、時間差で人生の様々な分岐点が交差する暴れはっちゃくなラブストーリー。かなり面白い。
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Lloyd Cole And The Commotions / Brand New Friend(1985)


(今日の80's #28)Lloyd Cole And The Commotions / Brand New Friend(1985)英19位
おそろしく人相の悪いLlyod Coleは1961年イギリス、バクストン生まれのシンガーソングライター。グラスゴー大学で国文学と哲学を学び、大学の仲間たちとCommotionsを結成したのは1983年。Commotionsとのアルバムは3枚あり、1985年発表のセカンドアルバム「Easy Pieces」からのファーストシングルがこの曲であった。3枚のうちこのアルバムが一番ネオ・アコっぽいが、リリカルでメランコリックなギターと穏やかでのどかなアコーディオンの響きが魅力的で、非常に知的で詩的でありながら優しくたおやかな世界を展開していた。
1989年にベストアルバムを発表しCommotionsを解散した後、Lloyd Coleはニューヨークに渡りソロとして活躍しているが、静かで内省的な良作を堅実に発表している。いいアーティストである。人相は悪いが。
Lloyd Coleのオフィシャルサイト

2004年3月26日金曜日

When In Rome / The Promise(1988)


(今日の80's #27)When In Rome / The Promise(1988)米11位、英58位
When In Romeの方がアーチスト名で「The Promise」が曲名。イギリスのツインボーカル+キーボードの3人組(3人とも男、ジャケットのお姉ちゃんはメンバーではない)。アルバムは「When In Rome」の1枚しかなく、この曲が唯一のヒット曲(次のシングル「Heaven Knows」は辛うじて米95位)。アルバムの他の曲はさておき、この曲は白眉。かなり隠れた名曲。分類としてはエレクトロ・ポップになると思われるが、永遠の愛を誓うさわやかで流麗な曲。とてもすがすがしい気分になる。サビの部分のコーラスはかなり気持ち良いのだが、サビの部分と他の部分はボーカルが違う人だとはビデオ見るまで気付かなかった・・・。この1曲だけを残して、その後の彼らの消息は不明だが、こういう時代を反映したポップスもいいよね。
ファンサイト

2004年3月25日木曜日

David + David / Welcome To The Boomtown(1986)


(今日の80's #26)David + David / Welcome To The Boomtown(1986)米37位
1985年にカリフォルニアで結成された二人のDavid(David Baerwald、David Ricketts)によるユニットのデビュー曲。この曲はアルバム「Boomtown」からのシングルであるが(この曲はアメリカで37位、次のシングル「Ain't So Easy」は51位)、バンドはこのアルバム1枚のみで1987年にはさっさと解散しており、印象が薄いのかその後あまり話題に上らないようだ。しかし、この曲は当時かなりのインパクトを受けた。震えるような歪んだギターの高音で始まるこの曲は、イントロだけでなにやら不穏な世界に連れていかれる。夢に破れて道を踏み外し転がり落ちて行く人たち、一見何でもない新興住宅地でのドラッグにまみれた厳しい現実を次々と切り取っていく。ダークでシニカル。でも行き詰まった感じというよりは、どこか救いのあるようなそんな曲である。これもまたアメリカの一つの風景。
ユニット解散後はそれぞれソロで活動しているようだが、特にDavid Baerwaldはソロでアルバムを発表するかたわら他人のプロデュースや作曲も手がけており、Sheryl Crowの「Tuesday Night Music Club」などはほとんどDavid Baerwaldの手がけた曲である(ちなみにこのアルバムにはDavid Rickettsも参加しており、ここで二人顔をあわせている)。他にはSophie B. Hawkins、Joni Mitchell、Rickie Lee Jones、Robbie Robertson・・・などなど様々なアーティストと共演しているらしい。結構イイ仕事してるなあ。
David Baerwald Info Source・・・David Baerwaldのファンサイト。レアなライブなどの膨大なmp.3が・・・いいのだろうか。

2004年3月16日火曜日

キューバ!


昨年夏にキューバを旅した時の写真をメインのホームページのほうにアップしました。宜しければご覧下さい。まだ外は寒い日もあろうかというのに、写真は夏真っ盛りです。
表紙から→The Globetrotter→Scrapbook→Cubaで入れますが、直リンクはこちらです。
Habana1Habana2Varadero

はぁ、また旅に出たくなりました。今年はどこに行こうかな。

2004年3月12日金曜日

岡山のラーメンとカツ丼

先日仕事の関係で地元の岡山に日帰りで往復したので、岡山ネタを2〜3紹介。
岡山県人にはラーメン好きが多い。昼飯、夕飯、晩飯、飲み会の後など、ラーメンを食べに行く機会はとにかく多い。人口あたりのラーメン屋の数は日本一多いというまことしやかな噂もあるらしく(data not shown)、少なくとも博多や札幌よりは多いらしい。博多や札幌、喜多方のようにいわゆる「岡山ラーメン」というジャンルはなく(少なくとも公に認められているものはない)、むしろその多様性というか、雑食性が岡山のラーメンを特徴づけているように思われる。すなわち醤油、みそ、豚骨、魚介類系、その他・・・と様々なラーメンが混在する。その時の胃の気分によって今日はどこのラーメン屋、今日はあそこのラーメン屋と食べわけるのだ。「今日はどこのラーメン?」が会話の出だしであったりもする(それは僕らのまわりだけか?)。僕にしても「岡山のラーメン屋」で少なくとも2〜30件は挙げられる。そういう人も多いはずだ。
さて、岡山にはデミグラスソースがかかったカツ丼がある。他県と同じく卵とじのカツ丼も当然あるのだが、ラーメン屋で出るカツ丼はこのデミグラスソースのタイプが多く、お腹減った時にはカツ丼とラーメンをセットで注文したりする。これが実にうまい。
さて、今回は日帰りでもあり岡山県人には非常に「べた」だと思われるかもしれないが、その両方を食べに「やまと」に行ってきた。「やまと」のラーメンはカツオ、昆布のだしに豚骨、豚の皮を使ったコクのあるスープで、その割に和風だしが上品な為あっさりと食べられる。当然スープも最後まで頂く。若い方から高齢の方までこのラーメンのファンは多く、当然好き嫌いはあろうが岡山のラーメンのランキングではいつも上位にランクされる。久しぶりに食べたがやはりうまかった〜。
岡山にこられる機会があれば、岡山のラーメンとカツ丼を是非ご賞味頂きたいと思う。

やまと
住所;岡山市表町1丁目9-7 電話;086-232-3944
営業時間:AM11:00〜PM7:00(PM3時からPM5時は休み)

岡山ラーメン学会

2004年3月5日金曜日

Rebekka Bakken, Julia Hulsmann / Scattering Poems


(新譜、Jazz)Rebekka Bakken, Julia Hulsmann / Scattering Poems
最近注目している女性ボーカリストRebekka Bakken。2002年にWolfgang Muthspiel(ギター、エレクトロニクス)と組んだアルバム「Beloved」はホントに名作で当時よく聞いたものだった。Wolfgang Muthspielの深く透明感のある音世界にRebekka Bakkenの声。Wolfgang Muthspielの作り出す音はまるで慈しむようにRebekka Bakkennの声を包み、その中で彼女はある時は慈悲深く、ある時は叫ぶように自由に歌い上げる。蜜月のような素敵なアルバムであった。
さて先日某CDショップに行った時、店内でかかっていた歌声に聞き惚れて迷わず購入したのが今作「Scattering poems」である。その時同一人物と気付かなかったのは恥ずかしいのだが(覚えにくい名前だし・・・ぶつぶつ)、こういう形で再開するとは思わなかったというのが正直なところで、同時に僕の好きな声のタイプは変わらないのだなと再確認してみたり。
さてRebekka Bakkenは1970年ノルウェー産まれのシンガーソングライターである。ニューヨークで活動していたが、現在はウイーン在住らしくヨーロッパのアーチストとのコラボレーションが多いようだ。Wolfgang Muthspielはオーストリア人だし、今作のJulia Hulsmannもドイツのジャズピアニストである。この「Scattering Poems」はそのJulia Hulsmannのピアノトリオと組んだ作品で、アメリカの詩人E.E.Cummings(1894-1962)の詩に曲をつけたものである。E.E.Cummingsは「私」を「i」と表現するなど小文字表現を使い、句読点の省略、語間の空白、口語的なリズムの採用、表現の短縮化など独特な自由詩の作風を持つ。そのようなリズムを持った詩だからこそ曲をつけるのは容易であったと彼女らは語る。Julia Hulsmannのピアノトリオとの真剣勝負の如くRebekka Bakkennの伸びやかで芯のあるハスキーなボーカルが対峙する。ポップでありながら緊張感がありスリリングである。最近は「Beloved」と交互に毎日のように愛聴している。

material records(Wolfgang Muthspielのレーベル、「Beloved」はここから発表)
ACT(「Scattering Poems」はなんとACTから発売)
E.E.CummingsのUnofficialなサイトE.E.Cummingsの詩の紹介
UniversalのRebekka Bakkenのホームページ(2003年Universalから発表されたソロアルバム「The Art Of How To Fall」も音楽的に広がりのあるよい出来の作品だが、僕としては少しプロダクションされすぎで面白みに欠けるように思われる)